安倍奥 山伏 山登り(2021年5月2日 前夜発)

図書館で『関東日帰りの山ベスト100』(実業之日本社)『関東の名山ベスト100』(JTBパブリッシング)等のガイドブックを借りてきて、これから行ってみたい山は無いかとあれこれページをめくっていたところ、この山伏(やんぶし)の案内があった。そこにあった写真は、笹原の広い頂上の目の前に南アルプスの白い山々、そして富士山が大きく輝いていた。GWの合宿がコロナ禍で中止になってしまったが、代わりとなるいい山が見つかったということで、会員3名で行ってきた。なお、安倍奥とは静岡の安倍川源流域を指し、山伏はそのエリアの最高峰である。

前日の昼過ぎに府中本町駅に集合し、中央道甲府南ICを降りた。ここから南下して安倍峠を越え梅ヶ島温泉経由で西日影沢登山者駐車場を目指したのだが、林道が安倍峠への登りにかかる手前でゲートが現れ、まさかの通行止め。道が崩壊しているとのこと。結局、中部横断道富沢ICから新清水JCTを経て新東名道静岡ICと遠回りして目的地に着いたのはもう暗くなった18時過ぎだった。河原に今年初めてのテントを張った。

登り始めてしばらくは西日影沢沿いの道。ワサビ田があるのは、それだけ水がきれいということか。コップを置いた水場が二か所。やがて沢を離れて急な山腹を登りきると蓬峠で、ここで半分といったところ。ここから先は尾根を右に左に小さく乗っ越しながらジグザグを切って登っていくので、傾斜はあるもののそんなに大変ではない。あたりは落葉樹なので展望もいい。

いつしか尾根が開けて傾斜が落ち、西日影沢分岐まで来るとそこはもう頂上台地の一角で、分岐を右へ。その先、林を抜けると一気に空が開け、笹原に敷かれた木道を緩やかに登って頂上に立った。青空の彼方に南アルプス南部の山々が白く鮮やか。これぞ眼福。

あれが赤石岳か?じゃあそこの左は聖岳だなとか、山座同定に挑戦。振り返れば富士山もどーんと大きいが、ここでの人気はイマイチで、ほかの登山者もみな、南アルプスのほうを眺め入ったりカメラを向けたりしている。のんびり長居したいところだが、草っ原に座って弁当を食べているうちに日が陰って寒くなったので、頂上を後にする。こちらの方の山は初めてだが、遠路はるばる来て良かったなと思った。帰りの中央道は大渋滞だった。