荒島岳 山登り(2021年7月23日 前夜発)

今年はコロナ禍であまり遠出できず、高い山にも登れていないので、7月の連休だけはちょっと頑張る山に行こうと思って福井県の荒島岳に行った。荒島岳は日帰りできる山だが、結構急登もあるし夏は暑くてしんどいという前評判だった。

前日は福井駅からレンタカーで勝原(かどはら)園地(大野市営の無料キャンプ場)へ向かった。勝原園地は集落から少し離れて林の中にあるので行き方はわかりにくかったが、行ってみるとたくさんの車があって驚いた。ここは汲取トイレと川の水を引いた簡易な水場があるだけだが、トイレットペーパーが置かれて草刈りはしてあるし、無料のわりによく管理されて気持ちの良いところだった。周りに店はまったくないが、河原もあり結構広く、適度に木も生えているので穴場的な人気キャンプ場のようだ。

我々も大きな松の下にテントを張って久しぶりのテント泊を楽しめた。夜、少しだけ雨が降ったようだが、ぐっすり眠ることができた。

今回は勝原コースから登って下山(しもやま)コースで下山することを考えていたが、前日もものすごく暑かったので、少しでも行程の短い勝原コースのピストンに急遽変更した。

勝原スキー場跡地から登っていくが、最初の坂がアスファルトの真っ直ぐな急登で、木陰もなく朝から強い日差しで、これだけでかなりのダメージを受けた。ようやく土の道に入って40分ほど歩くと、リフトの大きな滑車の残骸のようなものがベンチになっていて一休みできた。ここでなんと、「荒島岳登山口」という看板が立っていて、「え~、ここがまだ登山口なの??」とひどくがっかりした。

その後も特段眺望があるわけでもなく、ひたすら登っていく。白山ベンチというところも木が茂って白山はよくわからない。大きく明るいブナ林が木陰は作ってくれているものの、とにかく暑い。ずっと団扇で仰ぎながら歩いた。時々咲いているお花とたまに吹いてくる涼しい風に癒される。春に来たら結構お花がきれいな山のようだ。

中出コースと合流すると「もちが壁」という岩場(鎖やはしごあり)があり、すれ違いなどで少し時間がかかった。岩場を過ぎると急に樹木の背丈が小さくなって開けてくる。

頂上にぽっと出ると、そこは突然お花畑になっていた。このお花畑があったおかげでご褒美をもらった気がした。トンボもたくさん飛んでいた。あいにくガスが湧いてきてしまって周りの山はよく見えなかったが、大野の街の方はよく見えた。そういえば昨日も大野市街から荒島岳はよく見えたなぁ。

下りもとにかく暑い。気温が上がってきて蒸される。朝登って来たアスファルト道の両側には個人の名札付の記念の桜がたくさん植樹されていたが、この暑さで枝がうなだれてしまっている。朝はそうでもなかったのに。記念植樹なのでなおさら枯れてしまわないか心配になった。

やはり前評判通り修行のような山行だったが、久しぶりにテント泊もできたし、ブナの美しい林と高山植物も見られたし、暑さにめげずにちゃんと登れたということで個人的には満足な山行だった。結構花があったので、雪解けの春にも来てみたいなぁ。

余談だが、勝原駅の裏側には花桃園があり、きれいに整備された花壇や遊具などがあった。地元の方が丁寧に管理されているのだと思う。無人の勝原駅には駅ノートがあり、乗り鉄さんたちの熱い思いも感じられた。私たちも下山コースで下山する場合には乗ってみようと思っていたので、今後も廃線にならないことを祈るばかりだ、、、