西上州 神成山九連峰 ハイキング(2024年12月1日)

今回の隔月定例山行は、JR高崎線でトコトコ西上州へ。高崎駅で上信電鉄に乗り換え、神農原駅着10時15分と、片道3時間半の移動時間でしたが、移動時間も含めて、ハイキング自体、十二分に楽しむことができました。

移動時間の中でとりわけ心ひかれたのは、JR線(上越新幹線など)からは見られない上信電鉄からの景色、妙義山の裏側から浅間山が顔を覗かせていたことでした。

神農原駅から登り口にある宮崎公園では、青空と紅葉・黄葉の取り合わせが美しく、「上に登らなくても、ここだけでもういいのでは・・・」などと冗談が出るほど、のんびりと時間を過ごしました。

ここは最高峰が吾妻山(第9ピーク)328m、第6ピーク325m、龍王山(第2ピーク)321mと高くはないのですが、九つの峰が連なり、「神成山」とか「富岡アルプス」と呼ばれる山域です。その峰々の所々に展望があり、神農原などの集落と秋景色を見下ろすことができました。また、戦国時代には神成城という山城があり、ルート上にはその当時の様子をうかがわせる「物見台」という場所があったり、石碑や石仏群、小さな祠がいくつか設けられていました。雰囲気としては、針葉樹が少なく広葉樹に覆われているので明るい感じで、そのためこの時期特有の黄葉が印象的でした。

第1ピークの物見台ですでに正午近くなっていたので1時間近く昼食タイム。一人用のアルミに入った鍋を持参し、ガスコンロで煮て食べているメンバーもいました。

次々に峰を越えてゆくと、「ミニ自然博物館」などと銘打った、高さ1.2mほどの食器棚を改造したような屋根付き箱の中に、小さな蛇のアルコール漬けやテンやカラスの剥製、変わった形の蜂の巣などとともに十二支の動物の置物などが納められていました。さらに進むと、細長い屋台のようなものが建っており「山カフェ ドローム」と看板が付いていました。その脇にはメニュー表示があり、建てた人々のユーモアとこの山への愛着をうかがうことができました。ここでメンバーの一人がお湯を沸かして、その中に大福を入れて混ぜるだけという即席のお汁粉を一人ひとりに振る舞ってくれました。看板どおり「おいしい空気」も含めて、もちろんすべて「¥0」でした。眼下の集落と向かい側の山々を見ながら、まったりとした時間を過ごしたのでした。

「こんな山が近くにあったら毎日散歩に出るのになー」などと話していたら、「一週間に3回は来る」という人に出会い、その方に参加者6人全員の入った写真を撮ってもらいました。

麓に降りると下仁田ネギと思われる畑があり、その背後に低くても西上州らしい神成山の姿がかっこよかったです。たどり着いた「南蛇井(なんじゃい)駅」も素敵で、小春日和の楽しい山行となりました。

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西上州・四ッ又山~鹿岳 山歩き(2020年11月15日 前夜発)

西上州の岩々した山と紅葉を楽しみに出かけた。前日15時に新座駅を出発、高速道路は空いていたが、南牧村鹿岳駐車場の看板が小さく、暗いため見落として奥に入りすぎてしまった。戻る途中で対向車の地元の人に場所を教えてもらって到着。他に車は無く、トイレの建物の横にテントを張った。トイレは掃除され、きれいにしてあった。夜中に車が一台来て、翌朝にはさらに三、四台増えていた。

朝、テントをたたんで出発。車道を15分下って滝坂・大久保登山口から沢沿いを緩やかに登るとすぐ、「私有地だが駐車許可」という看板が立つ平地があった。二人組2パーティーが追い越していく。最後の急斜面を上がると天狗峠で反対側の展望も開ける。暖かな秋晴れがうれしい。

一息入れて四ッ又山への尾根の登り始めに大天狗と書いた石像があった。以前は小天狗も並んでいたそうだ。落葉した樹間から一ノ岳、二ノ岳の二つの鋭い岩峰から成る鹿岳も姿をのぞかせた。石像のある四ッ又山P1に着き、浅間山や鹿岳の写真を撮っていると10人ほどのパーティーが上がってきた。P2から先へは標識まで少し戻って降り、ロープのあるトラバースに入る。その後小さなアップダウンを越えると四ッ又山が終了したようだ。だいぶ下ってマメガタ峠。明るく気持ちのよい広葉樹の尾根を緩やかに進み、途中の見晴台に上がると梢の邪魔なく、周囲の山々が眺められた。

そしていよいよ鹿岳一ノ岳の岩壁に突き当たる。気を引き締めてロープ沿いに鹿岳のコルに上がると、休憩している人や二ノ岳から降りてきた人で混雑していたため、先に二ノ岳に進む。取り付きは梯子から始まり、10mほどの鎖を伝って斜上する。傾斜は急ではあるが、手すりになる木もあり慎重に足を運べば問題は無い。すれ違いはどこでもできるわけではないので待ってもらったり譲ったりしながらとなる。

山頂は360度の大展望で荒船山も間近だ。夜中、駐車場で一緒だった栃木からの男性も息を切らして上がってきた。三角点の先に続く平らな岩尾根でぽかぽか陽気の下の大休止。さらに先の岩峰にいる数人が絵になる。一ノ岳にも大勢登っている。そろそろ降りようとすると、ハーネスとへルメットを付け、ロープで数珠つなぎになった女性4人をガイドらしき人が連れてきた。私たちもスワミベルトを持ってきていたが今回は使わずに済んだ。

コルに降りて順番待ちがてら休んでから一ノ岳の登りにかかる。登ってみると二ノ岳よりも容易だった。こちらの山頂には他に二、三人のみなので静かでよかった。コルからは分岐を左に下高原登山口に向けて降りる。広葉樹の明るい尾根、少し緊張する岩稜と変化のあるルートを秋晴れに恵まれ、軽い荷物で歩けたいい山行だった。

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