佐渡 金北山~ドンデン高原 縦走(2022年4月28~29日前夜発)

今回はひたすら花をめでる山行だった。発見した主な花は以下の通り。

名前がわからないものも含めて、とにかくよく咲いていた。樹木の木陰で咲いていても、量が多く登山道の近くまであるので目立つ。カタクリは終わりに近かったが、一生分のカタクリを見たような気がする。

 もともとは椿登山口というドンデン山荘の東側の登山口から入山するつもりだったが、出かける前々日くらいに、メンバーが佐渡トレッキング協議会のHPで、椿登山口コースは通行禁止になっていると教えてくれた。今年は残雪が多くて危険なんだそうだ。仕方がないので急きょ、縦走の向きを変更して逆側の金北山登山口に向かった。タクシーの運転手さんが沢口登山口は車で入れないとのことで、栗ヶ沢登山口に連れて行ってくれた。

 この日は快晴で気持ち良い木漏れ日。歩き始めてすぐにカタクリやショウジョウバカマが現れた。神子岩まで来ると急に開けて、佐渡島の東西の湾が両手に見えた。ところどころヤマザクラも見えた。

 登るほどに登山道に残雪が多くなって、道がわかりにくくなった。最後の急登のやぶをこぐと金北山の直下の縦走路に出た。金北山頂は自衛隊の施設が廃墟となって残っていて、なんとも異様。2010年まではこの警戒管制レーダーが使われていたようだが、隣の妙見山に新型ができて役目を終えたそうだ。気象条件が厳しいからなのか、10年でこんなに荒れてしまうとは。昨今はミサイルが飛んでくるので新型が必要なのもわかるが、山頂は原状回復してほしいところだ。とはいえ貴重な税金なのでそうも言えないかぁ、複雑な気持ち。

時間があれば廃墟の中も探検したいところだったが、だいぶ遅くなってしまったのでテント場探しを急ぐ。金北山からは稜線歩きだが、あやめ池の方に降りるところで残雪の結構な急斜面が現れた。上から見ると下がどうなっているか見えないほどの斜面だった。張ってあったロープを使って一番手が降りると、急なのは上の方だけで、なんとか大丈夫そうだとわかった。それでもだいぶドキドキしながら降りた。30mほどだろうか、ここだけはちょっと嫌だった。チェーンスパイク、軽アイゼンが役立った。

幕営地はあやめ池の周辺で期待していたが、池の周りは樹林帯で湿地になっておりなかなかいいところがなかった。もう少し稜線を歩いて、登山道の脇に少し開けたところがあったので、雪の上だったがそこでいいことにした。この時期のテント場探しはなかなか難しい。夕食はカレーうどん。テントで久しぶりに楽しい夜を過ごした。

2日目は天気が下り坂の予報。でも前日頑張った甲斐もあり、余裕を持って気楽に歩くことができた。ここの稜線は海や花を見ながらの気持ちの良いコースで、そんなに苦しいこともなくトコトコと歩けた。誰にも会わずに静かに歩けたのも良い。花がたくさんあって写真を撮るために屈んだり立ち上がったりするのが疲れた。佐渡トレッキング協議会に事前に送ってもらったトレッキングマップに書いてあった花の紹介がとても役に立った。

雨が降る前にドンデン山荘に到着。ドンデン山荘は車でも行ける立派な山荘で、カレーやコーヒーを頼んでゆっくりできた。天気が良ければドンデン山荘のテント場で一泊して翌日も少し歩いてから下山しようと思ったが、だいぶ天気が怪しくなってきたので、タクシーを呼んで早々に下山することとした。前日に送ってもらったタクシーの運転手さんを呼んだら割とすぐ来てくれて助かった。(ちなみにこの運転手さんとは帰りのフェリー乗り場でもばったり再会して、なんだかほっこりした。)

下山後は、フェリー乗り場前のレンタカー屋へ。さすがのGWで、なんとか借りられたのは10人乗りのハイエース。4人には豪華な広さ。この日は暴風雨で、山上で幕営していたら相当辛かったと思う。

翌日は朝からすっきりと晴れて終日観光。矢島・経島でたらい舟に乗り、宿根木の伝統的町並みを散策し、トキの森公園でトキの観察と、南の海岸をぐるっと半周して両津に戻った。海岸沿いのドライブで、のんびりとしたいい旅になった。ゆたかや旅館の食事も魚や米をはじめ、佐渡の食材がたくさん使われてとてもおいしく、大満足だった。行き帰りともに佐渡汽船のカーフェリーは真新しい船で、2等のじゅうたんエリアも十分居心地が良く、半日くらいゴロゴロ乗っていたいくらいだった。今回は急なコース変更となったが、予定していたコースはほぼ歩けたし、想像以上にたくさんの種類と量の花が見られて本当に良かった。

雪山講習会(2022年3月6日)

 これまで、会で受継がれてきた技術等を繋げていくべく、毎年、3月第一日曜日に雪山講習会を開催しています。今年は、初心者を対象に基本的な技術・知識の習得を目指した雪山講習会をしました。

講習内容は以下の通り、盛りだくさん!
 ①弱層チェック
 ②斜面工作
 ③雪上歩行
  直登行、直下降、斜登行、斜下降、トラバース、アイゼンワーク、
  ピッケルワーク
 ④滑落停止
 ⑤雪山でのテント設営及びツェルトの活用
 ⑦ラッセル練習
 ⑥ビーコン操作と捜索
 ⑦雪山でのロープワーク

弱層チェック
弱層チェック

 スコップで穴を掘り、チェックをするために使う円柱形を作りました。その円柱を押してみたところ、それほど力を入れなくてもスパッと、ずれ落ちてしまいました。


雪山でのロープワーク
雪山でのロープワーク

 斜面を踏み固め、滑って整え斜面工作の過程で作り上げました。その斜面を使って、 直登行、直下降、斜登行、斜下降、トラバース、アイゼンワーク、ピッケルワーク 、滑落停止訓練、ロープ確保をしました。
 滑落する人を止めることが、いかに大変かを体験しました。

みんなでランチタイム
みんなでランチタイム

足尾山地 中倉山~沢入山 山登り(2021年10月31日 前夜発)

以前別の会員が行って撮影した写真が印象的だったため、行ってみることにした。最近ちょっと人気の山らしい。この山のシンボル的存在は「孤高のブナ」だそうだ。そこまで行って戻るだけなら日帰り可能なようだが、沢入山(そうりやま)まで足を伸ばすことと、あまり馴染みの無い方面ということもあり、余裕をもって前夜発とした。

前夜、大畑無料駐車場に着くと他に車は無く、満天の星空の下、静かな夜を過ごせた。トイレもあり、きれいに管理されていた。翌朝、車で数分の銅親水公園駐車場に着くと車が10台以上停まっていた。やはり昨夜の駐車場は正解だった。

ゲートを越えて進み、左に見える橋を渡ってさらに松木沢方面のルートを右に分けて左の仁田元川沿いを目指す。川岸近くに白い点々がたくさん見えていたが、行ってみると植樹された一本一本の木につけられたプレートで、地元の小学生が今月植えたばかりのものだった。

平坦な道を進むこと1時間で中倉山登山口となった。ここからくすんだ紅葉の雑木林の中、ジグザグと上がっていく。標高約1300mの尾根までひとがんばりすると展望が開け、傾斜も緩む。地面には小笹が緑を添える。

登っていたら、木の幹にセミの抜け殻がたくさんついているのを発見した。どれもが山の斜面下側の樹肌に頭を上に向けて一列に並んでいる。山から吹き下ろす風をよけるためだろうか。しかもほとんどの抜け殻は、樹皮に割れ目のあるナラかカシワかの樹についている。セミもホールドやスタンスがしっかりある所がしがみつきやすいのだろう。それでも、たまーにつるんとした樹に一匹見つけることがあって、これは上級者(セミ)もしくは独立独歩を好む変わり者で一人(匹)頑張ったんだなぁと感心した。

中倉山直下でルートが分かれ、メンバーの1人は右からなだらかに登るルートを、2人は左の直登ルートを選んだ。後者のルートでは途中、赤黄に色づいた樹木が大岩に寄り添うちょっとした展望台があった。ここから左にトラバースルートが分岐していたが、山頂へは直登する。3人合流して台地状の中倉山山頂1499mへ。右に松木沢を挟んで男体山が大きく見えるが、頂上には雲がかかっていた。そして山頂の先の鞍部にぽつんとある一本のブナを見下ろせた。かっこいい。これが「孤高のブナ」か。周りはロープで囲われ、近づいて直接触れることはできなかった(コロナ感染予防なのだろうか?)。

時期的には多少遅いものの、左の山肌は紅葉のパッチワークとなっていたが、青空でなかったのが残念。天気が崩れてきて多少雨粒を感じるようになったが大したことはなかった。行く手に見える山の稜線は、右側ははげた露岩の急斜面で、左は緑の絨毯敷きで白樺林の緩斜面になっていた。登山道はその縁を這い上がっていた。頂上に枯れ木1本の波平ピークを越え、沢入山1704mまで約1時間。頂上の先には、またのびやかな緑地が広がっていて、その奥に整った三角形の皇海山がよく見えた。

小休止の後、スタート地点を目指して戻るが、波平ピークを下りたら分岐右のトラバースルートで先の大岩展望地点まで行く。ここからは登ったルートを下山。帰りの林道では秋晴れとなった。また一つ良い山行ができた。

資料を見ると沢入山からさらに庚申山まで登山道がつながり、途中に幕営できそうないいところもあるので今度は春に山中一泊で歩いてみたい。

荒島岳 山登り(2021年7月23日 前夜発)

今年はコロナ禍であまり遠出できず、高い山にも登れていないので、7月の連休だけはちょっと頑張る山に行こうと思って福井県の荒島岳に行った。荒島岳は日帰りできる山だが、結構急登もあるし夏は暑くてしんどいという前評判だった。

前日は福井駅からレンタカーで勝原(かどはら)園地(大野市営の無料キャンプ場)へ向かった。勝原園地は集落から少し離れて林の中にあるので行き方はわかりにくかったが、行ってみるとたくさんの車があって驚いた。ここは汲取トイレと川の水を引いた簡易な水場があるだけだが、トイレットペーパーが置かれて草刈りはしてあるし、無料のわりによく管理されて気持ちの良いところだった。周りに店はまったくないが、河原もあり結構広く、適度に木も生えているので穴場的な人気キャンプ場のようだ。

我々も大きな松の下にテントを張って久しぶりのテント泊を楽しめた。夜、少しだけ雨が降ったようだが、ぐっすり眠ることができた。

今回は勝原コースから登って下山(しもやま)コースで下山することを考えていたが、前日もものすごく暑かったので、少しでも行程の短い勝原コースのピストンに急遽変更した。

勝原スキー場跡地から登っていくが、最初の坂がアスファルトの真っ直ぐな急登で、木陰もなく朝から強い日差しで、これだけでかなりのダメージを受けた。ようやく土の道に入って40分ほど歩くと、リフトの大きな滑車の残骸のようなものがベンチになっていて一休みできた。ここでなんと、「荒島岳登山口」という看板が立っていて、「え~、ここがまだ登山口なの??」とひどくがっかりした。

その後も特段眺望があるわけでもなく、ひたすら登っていく。白山ベンチというところも木が茂って白山はよくわからない。大きく明るいブナ林が木陰は作ってくれているものの、とにかく暑い。ずっと団扇で仰ぎながら歩いた。時々咲いているお花とたまに吹いてくる涼しい風に癒される。春に来たら結構お花がきれいな山のようだ。

中出コースと合流すると「もちが壁」という岩場(鎖やはしごあり)があり、すれ違いなどで少し時間がかかった。岩場を過ぎると急に樹木の背丈が小さくなって開けてくる。

頂上にぽっと出ると、そこは突然お花畑になっていた。このお花畑があったおかげでご褒美をもらった気がした。トンボもたくさん飛んでいた。あいにくガスが湧いてきてしまって周りの山はよく見えなかったが、大野の街の方はよく見えた。そういえば昨日も大野市街から荒島岳はよく見えたなぁ。

下りもとにかく暑い。気温が上がってきて蒸される。朝登って来たアスファルト道の両側には個人の名札付の記念の桜がたくさん植樹されていたが、この暑さで枝がうなだれてしまっている。朝はそうでもなかったのに。記念植樹なのでなおさら枯れてしまわないか心配になった。

やはり前評判通り修行のような山行だったが、久しぶりにテント泊もできたし、ブナの美しい林と高山植物も見られたし、暑さにめげずにちゃんと登れたということで個人的には満足な山行だった。結構花があったので、雪解けの春にも来てみたいなぁ。

余談だが、勝原駅の裏側には花桃園があり、きれいに整備された花壇や遊具などがあった。地元の方が丁寧に管理されているのだと思う。無人の勝原駅には駅ノートがあり、乗り鉄さんたちの熱い思いも感じられた。私たちも下山コースで下山する場合には乗ってみようと思っていたので、今後も廃線にならないことを祈るばかりだ、、、

安倍奥 山伏 山登り(2021年5月2日 前夜発)

図書館で『関東日帰りの山ベスト100』(実業之日本社)『関東の名山ベスト100』(JTBパブリッシング)等のガイドブックを借りてきて、これから行ってみたい山は無いかとあれこれページをめくっていたところ、この山伏(やんぶし)の案内があった。そこにあった写真は、笹原の広い頂上の目の前に南アルプスの白い山々、そして富士山が大きく輝いていた。GWの合宿がコロナ禍で中止になってしまったが、代わりとなるいい山が見つかったということで、会員3名で行ってきた。なお、安倍奥とは静岡の安倍川源流域を指し、山伏はそのエリアの最高峰である。

前日の昼過ぎに府中本町駅に集合し、中央道甲府南ICを降りた。ここから南下して安倍峠を越え梅ヶ島温泉経由で西日影沢登山者駐車場を目指したのだが、林道が安倍峠への登りにかかる手前でゲートが現れ、まさかの通行止め。道が崩壊しているとのこと。結局、中部横断道富沢ICから新清水JCTを経て新東名道静岡ICと遠回りして目的地に着いたのはもう暗くなった18時過ぎだった。河原に今年初めてのテントを張った。

登り始めてしばらくは西日影沢沿いの道。ワサビ田があるのは、それだけ水がきれいということか。コップを置いた水場が二か所。やがて沢を離れて急な山腹を登りきると蓬峠で、ここで半分といったところ。ここから先は尾根を右に左に小さく乗っ越しながらジグザグを切って登っていくので、傾斜はあるもののそんなに大変ではない。あたりは落葉樹なので展望もいい。

いつしか尾根が開けて傾斜が落ち、西日影沢分岐まで来るとそこはもう頂上台地の一角で、分岐を右へ。その先、林を抜けると一気に空が開け、笹原に敷かれた木道を緩やかに登って頂上に立った。青空の彼方に南アルプス南部の山々が白く鮮やか。これぞ眼福。

あれが赤石岳か?じゃあそこの左は聖岳だなとか、山座同定に挑戦。振り返れば富士山もどーんと大きいが、ここでの人気はイマイチで、ほかの登山者もみな、南アルプスのほうを眺め入ったりカメラを向けたりしている。のんびり長居したいところだが、草っ原に座って弁当を食べているうちに日が陰って寒くなったので、頂上を後にする。こちらの方の山は初めてだが、遠路はるばる来て良かったなと思った。帰りの中央道は大渋滞だった。

南高尾山稜~高尾山ハイキング(2021年4月10日)

このルートはイタローメンバーのYさんが前から歩きたいと思っていたようだが、タイミングよくNHKBSの「にっぽん百名山」で紹介された。静かな山歩きで7サミットを踏破するという売りだ。

このコースの登山口は、高尾山口駅から高尾山と逆方向に少し戻ると紹介されていたので国道20号を進んでみたが見当たらないので地図を確認して戻り、地元の人にも教えてもらい、川を挟んで駅前の「高尾山入口」の信号を左に曲がると草戸山への道標があった。

建物のわき道から入り、尾根上の四辻に上がった。ここからは明るい林の中を多少上ったり下ったりしながら徐々に高度を上げていく快適なハイキングがずっと続いた。樹木も草花も若葉が芽吹き、可憐な花をつけた風光る春真っ盛り。

はじめはわりと静かだったが、草戸山(364m)あたりまで行くと登山者が多くなった。山頂の展望台からは市街地がはるか遠くまで見渡せた。左下、木々の間に青く輝く城山湖を見ながら進む。三沢峠の先には立木にフクロウが、西山峠の先では倒木に竜が彫られていた。これは、前述のテレビ番組で地元の人が鋸で形作ったと紹介されていた。お見事! 

そしてこういうちょっとした広場には木のベンチやテーブルが置かれている。もう少し行くと南面の展望が開けた富士見台ベンチがあり、眼下に津久井湖、山稜やや右方向に富士山が白い頭を出していた。日本一の山。このおかげで秀麗富嶽○○など注目してもらえる恩恵を受けた山がどれほどあることか。

三沢峠から大洞山あたりまでは忠実な尾根ルートとすぐ下にトラバースルートがあり、どちらでも大差はないか。中沢山山頂(494m)には聖観音菩薩像が立っていた。金毘羅山山頂(514m)ではテーブル・ベンチの背後に、木の枝をうまく利用してザックをひっかけられるフックが設置されていた。地元の人の粋な計らいでセンスがいい。

大洞山(536m)を通過し、大垂水峠からがんばって上がった。城山カットははじめからその予定。大垂水峠からこちらに来る人は数人しかいなかった。広々とした緩やかな坂をゆっくり登ること45分で公園のような一丁平に到着。とてもにぎわっていたが、幸い一角のテーブル・ベンチが空いていた。さあ、待望のランチタイム。鶏づくし弁当と鮭のり弁だ。おいしいねえ。たまにはこういう山行もいい。

食後に展望広場に上がって見たが、やはり富士山は午後には霞隠れ。高尾山山頂(599m)に寄っていくと、こちらはまだ桜がきれいだった。人が増え、平均年齢が下がったようだ。子供たちも元気に歩いていた。さすがにみんなマスクを着けていた。下山は6号路を選ぶと、まだ新しい木の階段が長く続いたのには驚いた。その後、沢沿いの道になってゴールの高尾山口駅へ。

南高尾山稜は秋あたりにボッカ訓練などにもよさそうだ。その時は、高尾山から稲荷山コースを下ってみたい。気づけばハート型トレールを、ぜひ皆さんとごいっしょに。

伊豆ヶ岳 歩荷トレーニング(2020年12月12日)

年末の焼岳冬合宿(※)の準備山行(歩荷トレーニング、装備点検など)として、伊豆ヶ岳に行った。冬合宿には参加しないNさんも新品の靴とパンツで加わってくれ、6名の山行となった。伊豆ヶ岳は、昨年の歩荷トレで予定を切り上げて武川岳から降りたため登り損ねた山であり、さらには遙か28年前にもイタローメンバーで歩いているが、記憶が薄れている山でもある。この日、予報以上の晴れとなり、上記の目的も達成して晩秋の山歩きを楽しむことができた。

飯能駅からの西武秩父行電車は登山者で満席となったが、東吾野で何かイベントがあるのか大勢の人が降りた。駅右手の少し傾いた階段を降り、線路下のトンネルをくぐって車道をしばらく行くと正丸峠分岐。ツアーらしき団体さんは左の山道へ、私たちはさらに車道を正丸峠方面に歩いて関東ふれあいの道に入る。すぐに右側にボルトの打たれた岩場があったが、暗い感じであまり登りたいとは思わなかった。沢沿いから最後の急坂を登ると奥村茶屋の裏から正丸峠の車道に出る。伊豆ヶ岳へは車道を渡らず茶屋の裏から左の尾根に上がる。その上で初めの一本。Tさん自作のスライス干し柿をいただいた。これはよい。

小高山、長岩峠で山座同定しながら五輪山に到着。ジャンボテントを張って点検するのに良さそうだと目星を付けていたところ。丸い広場にベンチが3台。十分過ぎるほどの広さだ。テントを確認したらたたんで銀マットを広げ、コンロのチェック。Yさんに小さいコッフェルとボンベを持ってきてもらったが、なかなかお湯が沸かず、本人が手でボンベを温めてもまだ待たされる。コンロの火力が弱いのかと思ったら、なんと!ボンベの栓を少ししか開けていなかったためだった。

合宿の共同装備分担が決まると、ジャンボテントとフライなどはそれぞれの人のザックに収まった。さらに、Sさんがみんなに持ってきてくれたおいしいりんごも収まった。ちなみに別のSさんは本番仕様とかで、曰く「シュラフとエアーマットを持ってきた」と。そういうこともあるのかと笑ってしまう。

伊豆ヶ岳山頂直下の男坂は、歩荷トレなのでもともと登る気は無かったがロープが張られ通行禁止となっていた。女坂の方も一部崩壊して新たなルートが切られていた。山頂はちょっと日本庭園のような趣があった。眼下に所沢の西武球場なども見える。周囲の景色を眺めたら、登ったルートを戻り、五輪山を通過して大蔵山から正丸峠分岐へと下る。途中で木の幹に顔を見つけ、点在する大きな岩には、かに岩、ふたご岩と名前があった。車道に出てまた駅の階段を上って終了した。

※ その後、緊急事態宣言が発出されたため、年末の焼岳冬合宿はやむなく中止とした。

西上州・四ッ又山~鹿岳 山歩き(2020年11月15日 前夜発)

西上州の岩々した山と紅葉を楽しみに出かけた。前日15時に新座駅を出発、高速道路は空いていたが、南牧村鹿岳駐車場の看板が小さく、暗いため見落として奥に入りすぎてしまった。戻る途中で対向車の地元の人に場所を教えてもらって到着。他に車は無く、トイレの建物の横にテントを張った。トイレは掃除され、きれいにしてあった。夜中に車が一台来て、翌朝にはさらに三、四台増えていた。

朝、テントをたたんで出発。車道を15分下って滝坂・大久保登山口から沢沿いを緩やかに登るとすぐ、「私有地だが駐車許可」という看板が立つ平地があった。二人組2パーティーが追い越していく。最後の急斜面を上がると天狗峠で反対側の展望も開ける。暖かな秋晴れがうれしい。

一息入れて四ッ又山への尾根の登り始めに大天狗と書いた石像があった。以前は小天狗も並んでいたそうだ。落葉した樹間から一ノ岳、二ノ岳の二つの鋭い岩峰から成る鹿岳も姿をのぞかせた。石像のある四ッ又山P1に着き、浅間山や鹿岳の写真を撮っていると10人ほどのパーティーが上がってきた。P2から先へは標識まで少し戻って降り、ロープのあるトラバースに入る。その後小さなアップダウンを越えると四ッ又山が終了したようだ。だいぶ下ってマメガタ峠。明るく気持ちのよい広葉樹の尾根を緩やかに進み、途中の見晴台に上がると梢の邪魔なく、周囲の山々が眺められた。

そしていよいよ鹿岳一ノ岳の岩壁に突き当たる。気を引き締めてロープ沿いに鹿岳のコルに上がると、休憩している人や二ノ岳から降りてきた人で混雑していたため、先に二ノ岳に進む。取り付きは梯子から始まり、10mほどの鎖を伝って斜上する。傾斜は急ではあるが、手すりになる木もあり慎重に足を運べば問題は無い。すれ違いはどこでもできるわけではないので待ってもらったり譲ったりしながらとなる。

山頂は360度の大展望で荒船山も間近だ。夜中、駐車場で一緒だった栃木からの男性も息を切らして上がってきた。三角点の先に続く平らな岩尾根でぽかぽか陽気の下の大休止。さらに先の岩峰にいる数人が絵になる。一ノ岳にも大勢登っている。そろそろ降りようとすると、ハーネスとへルメットを付け、ロープで数珠つなぎになった女性4人をガイドらしき人が連れてきた。私たちもスワミベルトを持ってきていたが今回は使わずに済んだ。

コルに降りて順番待ちがてら休んでから一ノ岳の登りにかかる。登ってみると二ノ岳よりも容易だった。こちらの山頂には他に二、三人のみなので静かでよかった。コルからは分岐を左に下高原登山口に向けて降りる。広葉樹の明るい尾根、少し緊張する岩稜と変化のあるルートを秋晴れに恵まれ、軽い荷物で歩けたいい山行だった。

中央アルプス前衛・経ヶ岳ピークハント(2020年10月3日 前夜発)

経ヶ岳は、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰に囲まれたど真ん中にある絶好のポジションの山ですが、なぜか認知度が高くない山です。おそらく、日帰りの山としては歩行時間が長くしんどいからでしょう。でも、権兵衛峠からのルートなら、まあまあの感じで行けそうだし、北沢山からの展望が良いそうなので出かけてみました。

辰野PAで車中泊して高速を降り、伊那側から木曽側に抜けるトンネルをくぐっってからトンネルの上にある峠に車を走らせました。伊那側からは通行止めだったからです。駐車場には古式ゆかしいトイレもありました。

峠からの道は、電波塔みたいな建物があるピークまで、みかん山にあるようなモノレールが続いていました。何だろうと思ったのですが、その建物への資材運搬用のもののようです。そこで3人の男性パーティーに会いましたが、あとはピークまで誰にも会いませんでした。

伊那谷と南アルプス

北沢山のあたりでは、伊那谷を一望でき、その背後の南アルプス連峰が並んでいます。普段よく見ているのとは逆の並びで、左に甲斐駒、右に荒川、赤石という並びです。振り返った方角には、目の前にデカデカと御嶽山があり、その右手に乗鞍、さらに槍・穂高も望むことができました。

御嶽山方面

この経ヶ岳は中央アルプスの並びにあるのですが、北沢山から少し登ったところで、一番近い木曽駒ヶ岳が大きく目の前に聳えているのが見えました。

木曽駒ケ岳

頂上へは、そこからさらにじっくりと登って行きますが、唐松がきれいで、その間から見えるピークが少しずつ近づいてきます。

稜線より経ヶ岳

そうしてたどり着いたピークにはちょっと細顔の観音様がいて、展望もありますが樹林に囲まれているシブい感じの所でした。別方向からやってきた登山者が何人かいましたが、長丁場ゆえか、すぐに降りて行ってしまい、山頂でも静かな時間を過ごせました。

山頂の観音様

経ヶ岳は、周りに超有名山岳があるせいか、いい山なのに人が多くないようです。でもその静かなところがかえって魅力のいい山だと思います。

瑞牆山・金峰山ピークハント(2020年9月20~21日 前夜発)

新型コロナの感染拡大防止にも配慮しつつ、久しぶりのテント泊を実施。4名+途中から2名参加で6名の山行となった。

瑞牆山荘の駐車場に前夜泊し、翌朝7時に行動開始。駐車場の横から白樺やミズナラの林が続いている。1時間ほど歩くと目の前に瑞牆山の山容が姿を現した。そこからすぐに富士見平小屋に到着。林の中のテント場という感じで、タープも張りやすい。富士山が見えるようには思えなかったが、とても良いテント場。

テントとタープを張っていると雨が降ってきてしまった。雨がだいぶ強くて、今日はもう瑞牆山には行けないかと思うほどだったが、1時間ほど休んだところで小雨になり、山行開始。

瑞牆山の途中には大岩がいくつかある。桃太郎岩は本当に桃が割れたようにきれいに真っ二つになった大岩。雨上がりだからか、元気なキノコをたくさん見つけた。種類もたくさんあって目を楽しませてくれた。シャクナゲの「花芽」もたくさんついていた。

漫画みたいなキノコ。かわいいようなグロテスクなような。

瑞牆山頂に着いてもガスで何も見えなかったが、休んでいると雲が切れてきて少し周りが見渡せた。富士山は見られなかったけど、崖っぷちからの景色を楽しむことができた。雨が止んで本当によかった。

瑞牆山頂。雲の感じがドラマティック!

14時過ぎにテント場に戻りばらくすると後発隊の2名が到着。高速道路が大渋滞で大変だったようだが、食べ物とビールもたくさん持って来てくれた。隣にテントを張っていたソロ女性にも声をかけて一緒に晩酌。彼女も東京からということで会話が弾んだ。今回のメンバーの内1名はテント泊初ということだったが、天気も回復してくれたおかげで、テントならではの開放的な気持ちを存分に味わえたようだ。

富士見平の木立の中のテント場。若干斜面だが気にならないし水はけも良かった。

翌朝6時、金峰山に向けて出発。こちらもまた林の雰囲気がとても良い。針葉樹と広葉樹がバランスよく生えていて、明るくて苔もきれい。静かな林を満喫しながらゆっくり登っていく。

明るくて静かな森。風で木の幹や葉がこすれる音も良い。

しかし昨日の瑞牆山の方ではあまり人がいなかったが、こちらは続々と人が登っていく。中には熊鈴をずっと鳴らしている人もいてちょっとうるさかった。これだけ人がいたら熊も出てこないと思うし、鳥や小動物たちもびっくりしてしまうから、もう少し配慮してほしいなぁと思った。

砂払の頭から急に木の高さが低くなり、視界が開けてくる。植生もダケカンバやハイマツなどに変わった。道の右側が断崖になっていて、龍の鱗のように石が逆層で連なっているところは凄みがあってカッコよかった。登山道は鎖もしっかりつけられていて、慎重に行けば問題無い。ただ、人が多かったのですれ違ったりするのには時間がかかった。

山頂が見えてから実際に着くまでは思ったより長く感じた。金峰山の山頂標識を確認し、五丈岩の前の大きな広場で休憩。五丈岩は登山道から見るととんがった塔のようだったが、山頂側から見ると四角い大岩が積み木のように積み上げられて大きな砦のよう。中学生くらいの少年が五丈岩のてっぺんまで登っていて、休憩していたギャラリーの注目を集めていた。ガスっていたため富士山の頭が少し見えた程度で、大展望というわけではなかったが、風もなく暑くもなく、気持ちの良い気候だった。

金峰山頂からの帰り。登り返しもあるがこの稜線はカッコよくて好き。

帰りはほぼ下りっぱなしで、久しぶりの山歩きの身にはなかなか長く感じた。14時半頃に富士見平のテント場に着くと前日よりもテントが増えて賑わっていた。テントを撤収して15時半に瑞牆山荘駐車場に下山した。

テントは密閉密接になりがちだが、今回、テント内ではなるべくマスクを着けて、タープも使ったりして気を遣いながらの山行となった。手指の消毒もマメにしつつ、引き続き感染拡大防止に配慮しながら、できるだけテント泊も続けていきたい。

倒木の上に生まれた芽にはいつも勇気づけられる