中央アルプス前衛・経ヶ岳ピークハント(2020年10月3日 前夜発)

経ヶ岳は、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰に囲まれたど真ん中にある絶好のポジションの山ですが、なぜか認知度が高くない山です。おそらく、日帰りの山としては歩行時間が長くしんどいからでしょう。でも、権兵衛峠からのルートなら、まあまあの感じで行けそうだし、北沢山からの展望が良いそうなので出かけてみました。

辰野PAで車中泊して高速を降り、伊那側から木曽側に抜けるトンネルをくぐっってからトンネルの上にある峠に車を走らせました。伊那側からは通行止めだったからです。駐車場には古式ゆかしいトイレもありました。

峠からの道は、電波塔みたいな建物があるピークまで、みかん山にあるようなモノレールが続いていました。何だろうと思ったのですが、その建物への資材運搬用のもののようです。そこで3人の男性パーティーに会いましたが、あとはピークまで誰にも会いませんでした。

伊那谷と南アルプス

北沢山のあたりでは、伊那谷を一望でき、その背後の南アルプス連峰が並んでいます。普段よく見ているのとは逆の並びで、左に甲斐駒、右に荒川、赤石という並びです。振り返った方角には、目の前にデカデカと御嶽山があり、その右手に乗鞍、さらに槍・穂高も望むことができました。

御嶽山方面

この経ヶ岳は中央アルプスの並びにあるのですが、北沢山から少し登ったところで、一番近い木曽駒ヶ岳が大きく目の前に聳えているのが見えました。

木曽駒ケ岳

頂上へは、そこからさらにじっくりと登って行きますが、唐松がきれいで、その間から見えるピークが少しずつ近づいてきます。

稜線より経ヶ岳

そうしてたどり着いたピークにはちょっと細顔の観音様がいて、展望もありますが樹林に囲まれているシブい感じの所でした。別方向からやってきた登山者が何人かいましたが、長丁場ゆえか、すぐに降りて行ってしまい、山頂でも静かな時間を過ごせました。

山頂の観音様

経ヶ岳は、周りに超有名山岳があるせいか、いい山なのに人が多くないようです。でもその静かなところがかえって魅力のいい山だと思います。

北アルプス 奥大日岳・立山登山(2020年8月17~22日)

コロナ禍でお盆休みに遠出はNGということで、お盆明けに怖々と富山県を目指した。北陸道の有磯海PAに着いて、北陸新幹線を眺めながらご飯を食べ、車中泊。

早朝、立山駅に向かって出発。立山駅からケーブルカーで美女平へ。美女平から室堂へのバスも思っていたほどは混んでおらず、ゆったり座れた。50分のバス旅では観光案内が流れ、徐々に標高を上げる度に移り変わる景色に見入っていた。

みくりが池

室堂では立山自然保護センターに直行。雷鳥サミットという企画があり、雷鳥の生態など詳しく展示されていて興味深い。その後、名水100選に選ばれている立山玉殿の湧水を汲み、みくりが池へ。上から見る水の色は深い青色で、立山を映している。見とれて歩いていると硫黄の匂いが。エンマ台から見る地獄谷はその名の通り噴煙を上げている。さらに進むと雷鳥沢キャンプ場が見えてきた。小川を見下ろし、目の前に立山がドーンと見える位置にオニドームを張った。

アーベントロート

午前3時に起き、朝日とともに奥大日岳に向けて出発。雷鳥が目撃されやすいという場所まで来たが、現れる様子はなく、諦めかけていた時に、ふと大きな茶色の大きな石を踏みそうになった。なんとそれが雷鳥で、足元を歩いているではないか!そーっと観察すると、ぷっくりとしたお腹や目の上の赤いお化粧など、可愛さ満載。すっかり雷鳥ファンになった。

雷鳥発見!

雷鳥を見送った後、お花畑の稜線を進むと頂上に着いた。遠くに富山湾を臨み、目の前には剱岳が見える。その姿は凛々しく、力強く、惹きつけられる。夢中になってスケッチをしていたら80歳の登山者が登って来た。ひとしきりお話をして、こんな風にずーっと登山を楽しみたいなと改めて感じた。

奥大日岳付近で剱岳と

来た道を下山し、もうすぐテント場というところで、頂上で会話したご夫婦が湧水を汲んでいた。聞けば、地元の人に教わった秘密の湧水だそうだ。早速口にしたら冷たくておいしい!今夜のお料理用にペットボトルに詰めてテントに持ち帰った。

この日も満点の星空の下、午前3時起床。朝日とともに、7割くらい綿毛になったチングルマの中を進み、一ノ越山荘に到着。澄み渡った青空の下、はるか彼方に富士山も見えている。雄山までは石がゴロゴロの急坂を登って行く。鳥居をくぐってさらに岩の道を登ると3003mの頂上だ。ここからの大パノラマは圧巻。黒部ダムもはるか下に見えている。

雄山より後立山

次の大汝山までは大きな岩がゴロゴロ、左側はガレた斜面の道をほぼ水平に少しずつ登っていく。緊張を強いられる登山道だが、なんと岩の上にオコジョが!とてもカメラを構える余裕はなかった。必死で目で追っていくと岩の中に入ってしまったが、よく写真で見るような目がクリクリでキョトンとした顔を出してくれた!目が合った瞬間、もう姿はない。あー本当にかわいい。なんと幸運なんでしょう!

剱岳とヤナギラン

大汝山の頂上からはまた剱岳が別の角度から颯爽とした姿を見せてくれた。次は富士の折立。岩を登って2999mに着くと少しガスってきたが、先の道がくっきりと見えていた。巨大な白い屋根の頂点を真っすぐ進んでいるような、そんな道だ。真砂岳も登ってテント場に戻ると、今登って来た稜線がくっきりと見えている。あの道を歩いたんだなーと、オニドームの前でビールを飲みながら夕日に染まる立山を飽きずに見ていた。

夕暮れ

翌日も晴天。ゆっくり起きてオニドームを撤収。帰りがたいが、帰るしかない。あとは、みくりが池温泉のげんげのから揚げを食べて帰らねば!げんげとは白身の深海魚で、白エビとともに富山名物のようだ。ずーっとテント飯だったこともあるが、このランチがとてもおいしかった。室堂ターミナルには大きなお土産屋さんもあり、雷鳥尽くしのお土産をゲット!

室堂ターミナルからバスに乗って下山。その後は車に乗り換えて富山の旅を楽しんだ。日帰り温泉の後はホタルイカ尽くし定食やホタルイカのしゃぶしゃぶを食べ、日本海に沈む夕日を眺めた。翌日は田んぼアートを見たり、山羊の杜という手作り施設に立ち寄ったりした後、魚津埋没林博物館に行った。ここでは、富山の蜃気楼についても学べたし、全く知らなかった埋没林について先人たちの思いに触れ、実際の埋没林見学もでき、静かな感動が込み上げてきた。

コロナで諦めかけていた夏山登山が最高に良い条件で実行できたことに感謝!

瑞牆山・金峰山ピークハント(2020年9月20~21日 前夜発)

新型コロナの感染拡大防止にも配慮しつつ、久しぶりのテント泊を実施。4名+途中から2名参加で6名の山行となった。

瑞牆山荘の駐車場に前夜泊し、翌朝7時に行動開始。駐車場の横から白樺やミズナラの林が続いている。1時間ほど歩くと目の前に瑞牆山の山容が姿を現した。そこからすぐに富士見平小屋に到着。林の中のテント場という感じで、タープも張りやすい。富士山が見えるようには思えなかったが、とても良いテント場。

テントとタープを張っていると雨が降ってきてしまった。雨がだいぶ強くて、今日はもう瑞牆山には行けないかと思うほどだったが、1時間ほど休んだところで小雨になり、山行開始。

瑞牆山の途中には大岩がいくつかある。桃太郎岩は本当に桃が割れたようにきれいに真っ二つになった大岩。雨上がりだからか、元気なキノコをたくさん見つけた。種類もたくさんあって目を楽しませてくれた。シャクナゲの「花芽」もたくさんついていた。

漫画みたいなキノコ。かわいいようなグロテスクなような。

瑞牆山頂に着いてもガスで何も見えなかったが、休んでいると雲が切れてきて少し周りが見渡せた。富士山は見られなかったけど、崖っぷちからの景色を楽しむことができた。雨が止んで本当によかった。

瑞牆山頂。雲の感じがドラマティック!

14時過ぎにテント場に戻りばらくすると後発隊の2名が到着。高速道路が大渋滞で大変だったようだが、食べ物とビールもたくさん持って来てくれた。隣にテントを張っていたソロ女性にも声をかけて一緒に晩酌。彼女も東京からということで会話が弾んだ。今回のメンバーの内1名はテント泊初ということだったが、天気も回復してくれたおかげで、テントならではの開放的な気持ちを存分に味わえたようだ。

富士見平の木立の中のテント場。若干斜面だが気にならないし水はけも良かった。

翌朝6時、金峰山に向けて出発。こちらもまた林の雰囲気がとても良い。針葉樹と広葉樹がバランスよく生えていて、明るくて苔もきれい。静かな林を満喫しながらゆっくり登っていく。

明るくて静かな森。風で木の幹や葉がこすれる音も良い。

しかし昨日の瑞牆山の方ではあまり人がいなかったが、こちらは続々と人が登っていく。中には熊鈴をずっと鳴らしている人もいてちょっとうるさかった。これだけ人がいたら熊も出てこないと思うし、鳥や小動物たちもびっくりしてしまうから、もう少し配慮してほしいなぁと思った。

砂払の頭から急に木の高さが低くなり、視界が開けてくる。植生もダケカンバやハイマツなどに変わった。道の右側が断崖になっていて、龍の鱗のように石が逆層で連なっているところは凄みがあってカッコよかった。登山道は鎖もしっかりつけられていて、慎重に行けば問題無い。ただ、人が多かったのですれ違ったりするのには時間がかかった。

山頂が見えてから実際に着くまでは思ったより長く感じた。金峰山の山頂標識を確認し、五丈岩の前の大きな広場で休憩。五丈岩は登山道から見るととんがった塔のようだったが、山頂側から見ると四角い大岩が積み木のように積み上げられて大きな砦のよう。中学生くらいの少年が五丈岩のてっぺんまで登っていて、休憩していたギャラリーの注目を集めていた。ガスっていたため富士山の頭が少し見えた程度で、大展望というわけではなかったが、風もなく暑くもなく、気持ちの良い気候だった。

金峰山頂からの帰り。登り返しもあるがこの稜線はカッコよくて好き。

帰りはほぼ下りっぱなしで、久しぶりの山歩きの身にはなかなか長く感じた。14時半頃に富士見平のテント場に着くと前日よりもテントが増えて賑わっていた。テントを撤収して15時半に瑞牆山荘駐車場に下山した。

テントは密閉密接になりがちだが、今回、テント内ではなるべくマスクを着けて、タープも使ったりして気を遣いながらの山行となった。手指の消毒もマメにしつつ、引き続き感染拡大防止に配慮しながら、できるだけテント泊も続けていきたい。

倒木の上に生まれた芽にはいつも勇気づけられる

奥多摩 南秋川水系 軍刀利沢 沢登り(2020年8月16日)

軍刀利沢(ぐんだりさわ)へ行く気になったのは、山行自粛していた6月にある登山ガイドの方が教えてくれたからだ。「先日行った軍刀利沢は、土砂が減りナメ床が増えて、なかなかステキでした。沢登り再開の最初にお勧めします。結構ヘトヘトになれますよ!」というわけでー。

長引いた梅雨がやっと明け、会員6名で久しぶりの山行。ホリデー快速あきがわ1号で武蔵五日市駅に7:55着。その直後の数馬行きバスは急行のため下車予定の南郷バス停は通過とのこと。タクシーは6,000円もするとのことで、結局1時間待って次のバスに乗った。

南郷から矢沢林道を約1時間歩いて出合へ。バスのこともあって入渓は11時と遅い時間になってしまったが、短い沢なので心配はない。すぐに小さい滝が適当な間隔で出てきて、それなりに快適。そのうち、大人数(一種のツアーのような山行グループ?)が下降してきてびっくりする。

最後はヤブこぎもなく尾根に出たのが14:50。浅間峠経由で上川乗バス停への下りでは暑くてまさにヘトヘトになる。17:47のバスで武蔵五日市駅へ。なお、もし次にまた行くとしたら、先のグループのように沢を下降して南郷に戻るのもアリではないか。その方が早いし練習になりそうだ。

短い沢ながら、滝身をノーザイルで登れる小滝が連続
やっぱりシャワークライミングは気持ちいい
“へつり”の練習にも良い

奥武蔵・仙元尾根~蕎麦粒山~有間尾根(2020年2月9日 前夜発)

圏央道狭山日高ICを降りて浦山大日堂のあたりで前夜泊し、翌朝6:20に出発。道路を少し戻り橋を渡って、いきなりの急登にあえぎ、鉄塔のある仙元尾根稜線に上がると雪が出てきた。そこから緩やかに樹林を行く。

仙元尾根の登り

踏み跡は尾根上にも斜面にもあり、どちらを行ってもいい。天気は良く、荷物も軽いのが嬉しい。大楢を過ぎると傾斜が急になり、雲取方面からの西風が冷たい。登り切ったらそこが仙元峠。

ぽかぽか陽光の仙元峠で一休み

蕎麦粒山の山頂は少し寒かったので富士山を眺め、写真だけ撮って降りる。そこで初めて一人の対向者あり。その方は奥多摩側を周回する予定だったが、道路崩壊のため住民以外は通行禁止でピストン行程になったとのこと。我々は秩父側の周回だから大丈夫。明るく広い尾根を快適に下って日向沢の峰。この分岐を左に下る。

有間峠は車道のヘヤピンカーブの頂点になっている。進行方向右の道路に有間山登山口がある。有間山で一休みし、小さなアップダウンを繰り返し、カヤトの中に奇岩の点在する尾根道を緩やかに下る。

有間山から鳥首峠に向かう

最後のピークからは一転、標高差80m程の急下降。固定ロープを頼りに降りる。降り切った鳥首峠からはあまりおもしろくないトラバースルートで、沢を渡る箇所は崩落していてわかりにくかった。廃墟(?)を過ぎると間もなく林道終点に出た。車に戻ったのは陽も落ちた17:40。結果的にだいぶ時間がかかってしまったが、青空の下、変化に富んだコースをゆっくりと満喫できた。

北アルプス・蝶ヶ岳 冬合宿(2019年12月28~30日)

今回の冬合宿は5名で蝶ヶ岳に向かった。(本当は6名の予定だったが腰痛で急きょ不参加になってしまった会員がいて、本人もとても無念そうだった。。。)

初日は松本駅で集合してタクシーで釜トンネル入口まで移動。釜トンネルは電灯がなく真っ暗で、歩道はあるがヘッドライトが無いと車にはねられそう。作業トラックも行き交っていて騒音や排気ガスもあり、とても長く感じた。釜トンネル、上高地トンネルから大正池のあたりまではスノーハイクを楽しむ観光客も多くいた。

上高地バスターミナルまではコンクリート道だったがそれほど雪もなく、路面に薄っすら雪がある程度で、ツルツルというわけでもなく、割と歩きやすかった。

誰もいない河童橋

GWや夏には写真を撮るのが大変なほど賑わう河童橋も、この日は誰もいなくて格別な贅沢感を味わった。少し曇っていて、岳沢などはほとんど見えなかったが、人がいないと言うのはそれだけで得した気持ちになるから不思議だ。だから雪山はいい。

上高地の沢は透明度が高い!寒くても輝くようなグリーン。クロカワゴケと言うそうです。

上高地から先は砂利道となり、雪も少し厚くなったが、トレースがくっきりついておりたくさんの人が入っているようだった。

16時過ぎに徳沢に着くと、広いテント場に20ほどのテントが並んでいてびっくり。歩いて来るときはたぶん誰にも抜かされなかったのだが、急に賑わいを感じて嬉しいようながっかりしたような。ここには冬期用トイレも用意されており、さすが上高地と思った。翌日の蝶ヶ岳への登山口を確認した上で幕営。

テントに転がり込んで翌日の行程について相談。元々は、翌日にテントを持って長塀山あたりまで行ってテントを下ろして蝶ヶ岳山頂ピストンして長塀山に戻って幕営、翌々日に長塀山から釜トンネルまで下山という計画だった。しかし荷物も重いし、これだけ登山者が多ければトレースもしっかりついてそうなので、翌日はテントを徳沢に張ったまま山頂ピストンすることにした。1日の歩行距離は長くなるが、荷物が少なければ時間的にはその方が早いかもしれない。

今回は年末だし初日が水平移動のみということもあり、夕食は豪華にすき焼きを食べた。牛肉と野菜、しらたきや豆腐が甘辛いタレに絡んで最高においしかった。ワイワイ言いながら締めのうどんもきれいに平らげて、とても幸せな夕食だった。夜には満天の星空が眺められて、翌日の好天を予感させた。

間違いなく今年最もおいしい夕食だった

3:30に起床。初めからアイゼンをつけたが、あまり凍ってもなく歩きやすかった。おとといあたりに雪が降ったんだろう。ずっと樹林帯の急斜面でジグザグに登っていく。明るくなって木の合間から山並みが少し見えるのだが、雪をかぶった針葉樹に阻まれてよく見えない。空も青空で、早くきれいな山並みを見たいという思いが募る。たまに出てくる少し平らなところも樹木には囲まれていて景色はよくないが、テントを張っているパーティーも3つほどあった。休憩するポイントも少なく、雪を踏みしめて静かに登っていく。

2日目の朝。樹林から朝日が差し込む。

山頂直下で急に樹木がなくなり、雪たっぷりの窪地が現れ、ここで初めて広い青空を臨めた。きれいな新雪で思わず埋まりたくなる。そこから少し登ると急に涸沢岳や北穂高岳が目の前に現れた。びっくりするくらいの近さで目の前に広がっていて、まさに息を呑んだ。それまでずっと樹林帯で全然景色が見えなかったので、なおさら衝撃的に感じた。なかなか憎いルートだ。

風紋がきれい。右に乗鞍岳、左奥に御嶽。

山頂のあたりはさすがに風があったものの、立っているのが苦というほどでもなく、記念撮影する余裕も十分あった。360度の大パノラマで、最高の天気。槍ヶ岳、富士山や荒船山なども見えた(他にもいろいろ見えていたのだが、形からわかる山がこれくらいしかないのが悲しい・・・)。

蝶ヶ岳山頂からの西側のパノラマ。丸見え~!
眼前に広がる穂高連峰。右から北穂、涸沢岳、奥穂、前穂、その左奥に明神岳。

しばし山に見とれるが、じっとしていると寒いので、さっきの窪地まで戻って休憩。何パーティーかが通り過ぎて行ったが、誰もがその窪地を上がったところで現れる景色に歓声を上げていて、「何これ~!やばい!」などの声が聞こえて、それもまたおもしろかった。

窪地は踏み跡のない雪がたっぷりで遊びたくなる
ついついやりたくなるよね

名残惜しいがまた樹林の急斜面を下山。無事にテントに着くと靴を脱いで身軽になり、早速ガスを焚いて温まる。この瞬間も冬山のいいところだ。足が軽くなってじんわりと体が温まってくる。この日の夕食は各自用意した物を食べる。明日は下山だけだと思うとお酒も進む。翌日のために雪を溶かして行動水を作り就寝。

徳沢に戻ってきたのは15時。荷物は軽かったけどやっぱり疲れたー。

翌朝は昨日と打って変わってしんしんと雪が降っていた。この日はもう上高地に向かって水平移動だけなので、本当に昨日登頂できてよかったと思った。行きは上高地から明神まで左岸の車道を歩いてきたが、帰りは右岸を歩くことにした。雪景色の梓川は見るだけでも冷え冷えするが静謐な感じがとてもよかった。しかし、新雪の積もった木道は境界がわかりにくく足を踏み外しそうだし、ところどころ凍って危なかったので、結局右岸の車道を歩いた。車道は車道で、車輪のわだちは凍っているし、わだちを避けると結構雪が積もっていて進みづらい。結局行きよりも1時間くらい余計にかかってしまった。やはりどんどん雪が積もっている中では進み方が全く違う。

上高地バスターミナルのあたりには猿たちが樹上で木の芽を食べていた。体に雪を積もらせながら親子猿がくっついている様子は、夏に見る猿よりもずいぶんかわいらしく見えた。

冬毛がふっさふさ。赤い顔が目立つ。
大正池に浮かぶミステリーサークル?

中の湯でバスに乗車し松本駅へ。松本駅に着いて駅ビルの居酒屋で乾杯、昼食。山の中の食事もおいしいけど、こういう食事もまたおいしい。最高の景色も見られたし、雪山の魅力をたっぷり味わうことができた。一年を締めくくるとても良い山行だった。

北アルプス 唐松岳八方尾根(2019年12月10-11日)

今年は雪がなかなか降らず、白馬八方尾根スキー場の一番上のグラートクワッドはまだ動いていませんでしたが、ゴンドラアダムとアルペンクワッドを乗り継いでみると、歩く分には十分な雪の世界でした。

グラートクワッドの下は結構急斜面で最初から体力を使いました。天気も良く汗だく。。。

八方池山荘から上でもバックカントリーの人やスノーハイクを楽しむ人がちらほらいて、トレースはしっかりついていました。所々ズボッと足がはまるのが疲れるので、途中でワカンを付けました。スノーシューのトレースもたくさんありました。

途中、雪面で2千円が落ちているのを発見!トレース上にそのまま落ちてたのが不思議でしたが、それほど風がなかったということです。そのすぐ後に別のパーティーに会ったので、念のため聞いてみたら落とし主がいました。良かった良かった。

八方尾根から眺める五竜岳は黒菱は見えませんが、遠見尾根がなだらかに長く伸びていて、山頂手前のところは急な岩場になっているようでした。五竜岳の向こう側には鹿島槍ヶ岳がきれいな双耳峰を見せつけていてひときわかっこ良かったです。

雪面がまぶしい!

この日は下の樺付近で幕営。下の樺というところは特に看板などはなさそうでしたが、樺の木に囲まれていて風も来なくて良い幕営地でした。この日は夜になってもほぼ無風で、山の歌も口ずさみながら、満月と雪で明るい楽しい夜を過ごしました。

雪を平にならしてテント(アライ エアライズ)を広げる。

翌朝も前日と同様、最高の天気。北には白馬鑓ヶ岳、東には八ヶ岳や南アルプスもよく見え、富士山もオレンジに輝いていました。

モルゲンロートの白馬鑓ヶ岳

テントは張ったままで、前日よりも身軽になって行動開始。下の樺から上の樺へは急斜面で、ワカンではちょっと登りにくかったです。

朝の稜線歩きは楽しい!

丸山を過ぎたあたりから風も出てきて雪が飛ばされて岩が露出しているところもあり、全員アイゼンとピッケル装備に変更。風の影響だと思いますが、踏み跡が浮き上がっているところがあってとても面白かったです。風紋がついた雪面に動物の足跡(狐か犬?)が浮き上がっていて、波の上に浮かぶ花びらのようです。

踏まれたところが硬くなった後に周りの雪が飛ばされて浮き上がっている?なんだか不思議。

このあたりから唐松岳山頂もようやく見えてきました。唐松岳から北に伸びる不帰嶮~天狗尾根も人を寄せ付けなさそうな迫力がありました。

唐松岳頂上山荘への手前あたりはロープがつけられていて、左側が崖になっている箇所もあり、そこは慎重に通りました。頂上山荘付近はさすがに風が強くて、雪粒が顔を叩き、時々ふらついてしまうほどです。でもここまで来ると剱岳も槍ヶ岳も視界に入ってきて本当に美しい。

唐松岳頂上山荘の周りは強風で雪が無い。

頂上も360度見渡す限り白い山並が拝むことができましたが風で立っているのが辛いので、写真だけ撮って早々に下山開始。八方尾根に戻るとパタッと風が来なくなり、気持ちが楽になりました。

どっしりとした剱岳をバックに。

下りは下りで久しぶりの雪山で足に負担が来て、予定よりも時間がかかってしまいました。アルペンクワッドの営業時間が15時までなのですが、何とか14:30には着いて無事に下山できました。力不足な面もありましたが、良い行いのおかげか天気に恵まれ、最高の山行ができました!

四国春合宿(2019年4月28日~5月5日)

例年の春合宿は東日本の残雪の山に行っていることが多かったが、今年は連休が長いため、例年と趣を変えて四国の三嶺縦走と石鎚山縦走を計画した。家族連れの会員含め、総勢11名でにぎやかな合宿となった。

4月28日(日)
神戸在住のメンバーと新神戸駅で集合し、レンタカーで徳島へ。翌日、翌々日は雨という予報だったため、徳島の三嶺縦走の計画は諦め、29日は剣山ピストンにすることにし、30日以降に石鎚山縦走にすることとした。このため、初日は奥祖谷二重かずら橋キャンプ場に泊まることにした。ここのキャンプ場は、徒歩でしか渡れないかずら橋を渡った対岸にあるので少し大変だが、橋に加えて「野猿(やえん)」という人力ロープウェイ(?)もあり、アスレチックのようでなかなか楽しかった。

奥祖谷二重かずら橋キャンプにある「野猿」。橋を渡った方が早いけどアスレチック的でワクワクする。

4月29日(月)
予報通り、雨。気持ちは上がらないが、とにかく剣山に登るため、登山口へ移動。リフトが動くのは8:30だったが、天気も悪くなる方向だったのでリフトは使わずに登り始めることとした。今回は会員の娘さん(8歳)も同行。悪天候のせいでだいぶ辛そう。稜線に出ると風が強く、とても寒くなった。頂上付近は木道で笹原が保護されているようだが霧雨でほぼ何も見えず、風で声も聞き取りづらいのでみんな黙々と歩いた。山頂(1955m)も看板以外は何も見えず、写真だけ撮ってさっさと下る。山頂直下の大剣神社で登山安全のお参りだけはした。来た道をそのまま下山。下りはあっと言う間だった。そんな感じでほぼ修行のような山行で、娘さんには少し気の毒だった。

うっすらと虹が!リフトの上の駅あたりで。晴れてたら気持ちよさそうな笹原。

登山口にある剣神社。この日が開山日だったので神事も執り行われていた。

下山後、つるぎ町貞光の手打ちうどん屋「のぶ」に立ち寄った。リーズナブルでとてもおいしく、いわゆる讃岐うどんのセルフの店を楽しむことができた。
昼食後にこの日のキャンプ場所を検討。元々は西条市の川原「トリム公園」で幕営予定だったが、雨の中、四阿も炊事場も何も無い単なる川原は辛そうということで、つるぎ町から西条市へ向かう途中の新居浜市民の森キャンプ場に行くことにした。娘さんを連れてきていた会員は家族で桂浜へ向かうとのことで、昼食後にお別れし、以後は8名での行動となった。
新居浜市民の森キャンプ場はゆったりして管理人の方も親切で、良い場所だった。新居浜温泉パナスで濡れた体を温め、四国ローカルスーパー「マルナカ」新居浜本店に買い出しに行った。夜も雨が降り続いていたが、翌朝の予報は曇りのち雨になっていたので、30日は笹ヶ峰登山口から笹ヶ峰キャンプ場まで登ることとした。縦走の方向は、当初は石鎚山側から登ることを想定していたが、天気好転が期待される後の方で石鎚に登頂した方がいいだろうし、石鎚の鎖場も乾いている方が安心だということで、計画とは逆方向にした。山中2泊の予定が1泊増えることになるが、下山日(5月3日)は鳴門に宿をとってしまっていたので、その移動も考えたら余裕がある方が良い。

広くてきれいな新居浜市民の森キャンプ場。無料とはありがたい。

4月30日(火)~5月3日(金)
初日は下山口となる石鎚山ロープウェイ乗り場のPに車1台を置いた後、笹ヶ峰登山口へ。笹ヶ峰登山口までの林道は崩落個所があり、車は2kmほど手前で停めるしかなかったが、歩く分には大したことはなかった。笹ヶ峰キャンプ場(丸山荘)に着く頃には、また雨が降ってきた。丸山荘の方が、空いている部屋を使っていいと言ってくれたので、400円/人を払ってありがたく使わせてもらう。小屋のご主人夫妻(?)はとても親切で、ゴザを貸してくれたり、焼酎やおつまみを分けてくれたりなど、至れり尽くせりだった。

お世話になった丸山荘。ゆったりしていたし、水も豊富だった。

二日目の朝もまだ雨が降っていたが、とにかく行動開始。笹ヶ峰山頂は展望が良く瀬戸内海も見える場所のようだが、あいにくの霧であまり見えなかった。それでも雨が一時的にやんでいて、近くの山並みなどは見えて、ほっと一息つくことができた。その後も雨や霧で言葉少なく進む。桑瀬峠を過ぎて伊予富士までの登りが結構きつく、雨も降っていて足元もよくない。東黒森を過ぎたあたりでちょうどいいテント場を発見。

寒風山のあたりから。雲が低く垂れこめているのも上から見ればそれはそれで美しい。

三日目の朝は強風かつガスっていて暗かった。気が重いがとにかく進んでいると、西黒森に着く頃には風がガスを吹き飛ばしてだいぶ明るくなってきた。雲も一気に吹き飛び、瓶ケ森に着いた時には美しい笹原とともに遠くの景色までよく見え、とても気持ちが良い。
山荘しらさ(休館中)に着くと、開けた駐車場があり、ますます天気も良く、テントを干すのにうってつけのため大休憩をとることにした。この日は時間的余裕もあったのでレインウェアなども干し、靴を脱いで昼寝をした。
15時頃に白石ロッジについて、おでんとビールで乾杯。この日は星もよく見え、明日への期待が高まる夜となった。

石鎚山脈の山並みが見えてきた。眼下にUFO(雄峰)ラインも見える。

瓶ケ森から眺める石鎚山。遠いなー。。。

四日目、日の出とともに行動開始。よく整備された登山道で軽快に進む。二の鎖小屋も最近リニューアルされたのか、とてもきれいだ。ここから鎖場「二の鎖」へ。荷物の重みと割と足場の少ない岩場で難儀した。「三の鎖」は避けて巻き道で弥山山頂へ。ここで荷物を下ろし、天狗岳(石鎚山最高峰)へ。ここがまた両側切れ落ちていてなんとも恐ろしい。昨日よりやや霞んでいて、あまり遠くまでは見えないが、イタローの皆と四国の山まで無事に登れたことに感謝。
あとは樹林帯を降りていくだけ。割と急な道で、登ってくるのはちょっと大変そうだ。やはり逆ルートにして良かった。ところどころ振り返ると、石鎚山が屏風のようにそびえていてなんともかっこよく見えた。

弥山から天狗岳へ。高度感たっぷり!

屏風のように並ぶ石鎚山。右から弥山、天狗岳、南尖峰。最高峰は天狗岳の1982m。

石鎚神社成就社で無事を感謝し、ロープウェイで下山。温泉「武丈の湯」でさっぱりした。
この日は鳴門で民泊を利用。楽しいおもてなしをしていただき、良い思い出になった。

5月4日(土)
漁師料理のお店「びんび家」で朝ごはん。刺身や魚の天ぷら、釜飯などを食す。これまた徳島ローカルスーパーらしき「キョーエイ」鳴門駅前店でお土産になりそうなものを買い込んで、渋滞も心配なので早々に四国を出た。途中、淡路北ハイウェイオアシスで「蛇口から出る玉ねぎスープ」を試飲し、神戸在住の会員宅へ。
この日に帰ることもできたが、皆翌日の新幹線を予約していたので、再び打ち上げの夜。夕食はみんなで餃子を作り、合宿写真を早速ディスプレイで鑑賞した。

5月5日(日)
朝、新幹線の時間まで暇なので、新神戸駅の裏にある布引の滝まで散歩。5月の朝の風が気持ちよく、のんびりした朝だった。その後、荷造りをして9時半頃に会員宅を出発、帰京した。

前半は天気に恵まれず計画通りには行かなかったが、会員同士の力で臨機応変に対応できたのが何よりだった。人数も多く長い行程ではあったが、お互いに協力しあって、楽しい良い合宿となった。山中3泊で四国の屋根をじっくり歩けたことも充実感があったし、時間的にも余裕があったので、山旅としてもおもしろい春合宿であった。

笹ヶ峰~石鎚山の間でたくさん見かけたアケボノツツジ。可憐な咲き方で、天気が悪くても楽しませてくれた。

景信山~高尾山 イタロー祭ハイキング(2018年11月11日)

今年もイタロー祭ということで、総勢16名でハイキングを行いました。今回は高尾駅から小仏までバスで行き、景信山~一丁平~高尾山~高尾山口駅という経路です。今回もたくさんの食材を担ぎ上げ、豚汁、けんちん汁、ホットサンドなどをみんなで作りました。自慢の畑から朝採れ野菜をたくさん担いでくれた会員も!7歳のお子さんから70代のベテラン勢までわいわい楽しく秋晴れの休日を楽しみました。

小仏から歩行開始!

天気も良く所々紅葉も楽しめました。

お待ちかねのお昼ご飯!

また来年も大勢でやりましょう!

黒部峡谷 祖母谷温泉、欅平~水平歩道~阿曽原温泉小屋往復(2018年9月22~24日)

もともとの計画は黒四ダム→黒部下ノ廊下→阿曽原温泉小屋(泊)→黒部水平歩道→欅平→黒部峡谷鉄道で宇奈月温泉(泊)だった。このコースのハイライトは下ノ廊下。だが毎年雪崩で登山道はダメージを受けるため、シーズンごとに補修が行われる(毎年苦労して整備してくださる方には本当に頭が下がる思いだ)。今年は台風など天候不順で下ノ廊下の補修が遅れているらしく、阿曽原温泉小屋のHPを毎日のようにチェックするも、通過OKが出ないため、やむを得ず宇奈月温泉からの阿曽原温泉小屋往復に切り替えた。連休ということもあり会員10名が参加した。

21日の夜に道の駅「うなづき」にて仮眠するが、夜から降っていた雨は22日朝になっても止む気配がない。いろいろ考えた結果、この日は停滞することにし、阿曽原温泉小屋に行くのを1日遅らせることにした。その旨、小屋に連絡すると、小屋オーナーから、「今日の内に欅平に上がって祖母谷温泉に泊まるのもいいかも」と提案を受けた。確かに、その方が翌日、黒部峡谷鉄道の始発を待たずに早く行動できる。

早速トロッコ列車のチケットを買い、欅平へ。欅平は賑やかだったが、祖母谷温泉まで来る観光客は少ないと見えて、宿はゆったりしていて、静かにゆっくりと温泉に浸かることができた。急にお願いしたのにおいしい料理をたっぷり振舞ってもらって大満足だった。河原に湧き出す、沸騰するほど熱い地獄谷温泉も迫力があった。

いくつになってもトロッコ列車はワクワク!

赤いトロッコは緑の中によく映える

地獄谷温泉。熱くてとても入れない!

23日は爽やかな晴れ。欅平からはいきなり40分の急登。その先の展望台で青空に浮かぶ毛勝山やサンナビキ、遠くに唐松岳から不帰キレットの山並みなどを目に収める。

右のピークが唐松岳、ギザギザが不帰キレット

水平歩道は黒部峡谷の断崖を削って造られた一条の道。そのほとんどに太い針金が張られているので、各自の判断でカラビナを掛けながら進む。それなりに山慣れしている我々にとってはさほど大変な道ではなかったが、それよりも閉所恐怖症の会員には何より狭くて真っ暗なトンネルが恐ろしかったようだ。

横一直線。先人の苦労がしのばれる。

これは先が見えてるからいいけど、先がまったく見えないトンネルも。

水平歩道のハイライトは、深い谷にせり出すようにトンネル状の道が続く「大太鼓」と名前が付いた箇所。よくもまぁ、岩を掘削してこんな道を造ったものだと驚くばかりだ。

きれいにコの字型にくり抜かれている大太鼓

巨大な雪のブロックもまだ残っていた。

折尾谷出合を過ぎると徐々に下りになり、やがて樹間に阿曽原温泉小屋が見えた。この小屋は黒四ダムから欅平までの間で唯一の営業小屋。名物の温泉は小屋から5分ほど下ったところ。囲いも脱衣所も無い露天風呂は、まさに大自然のど真ん中の天然湯。

毎年シーズンが終わると、雪で押しつぶされないように壁や柱を外して翌シーズンまで倉庫で保管するそうだ。

シンプルな造りがより自然との一体感を醸し出す

夕食のカレーはとてもおいしく、3杯もおかわりする会員も。小屋オーナーの佐々木さんのよもやま話や苦労話なども聞いて団らんの時間を過ごした。混雑するときは布団1枚に2人ということもあるようだが、今回は1人1枚のスペースがあった。

24日、昨日歩いた水平歩道を欅平へ向かう。下ノ廊下が通れないからといって山行そのものを中止しなくて良かった。今回のようにコースを変えるにしても、とりあえず現地に足を出せばやはり楽しい。再びトロッコ列車にゴトゴト揺られ、宇奈月温泉でさっぱりした後、富山名物のブラックラーメンを食べて帰路に着いた。
来年は下ノ廊下を歩けることを期待して、また来ることを誓った。