南高尾山稜~高尾山ハイキング(2021年4月10日)

このルートはイタローメンバーのYさんが前から歩きたいと思っていたようだが、タイミングよくNHKBSの「にっぽん百名山」で紹介された。静かな山歩きで7サミットを踏破するという売りだ。

このコースの登山口は、高尾山口駅から高尾山と逆方向に少し戻ると紹介されていたので国道20号を進んでみたが見当たらないので地図を確認して戻り、地元の人にも教えてもらい、川を挟んで駅前の「高尾山入口」の信号を左に曲がると草戸山への道標があった。

建物のわき道から入り、尾根上の四辻に上がった。ここからは明るい林の中を多少上ったり下ったりしながら徐々に高度を上げていく快適なハイキングがずっと続いた。樹木も草花も若葉が芽吹き、可憐な花をつけた風光る春真っ盛り。

はじめはわりと静かだったが、草戸山(364m)あたりまで行くと登山者が多くなった。山頂の展望台からは市街地がはるか遠くまで見渡せた。左下、木々の間に青く輝く城山湖を見ながら進む。三沢峠の先には立木にフクロウが、西山峠の先では倒木に竜が彫られていた。これは、前述のテレビ番組で地元の人が鋸で形作ったと紹介されていた。お見事! 

そしてこういうちょっとした広場には木のベンチやテーブルが置かれている。もう少し行くと南面の展望が開けた富士見台ベンチがあり、眼下に津久井湖、山稜やや右方向に富士山が白い頭を出していた。日本一の山。このおかげで秀麗富嶽○○など注目してもらえる恩恵を受けた山がどれほどあることか。

三沢峠から大洞山あたりまでは忠実な尾根ルートとすぐ下にトラバースルートがあり、どちらでも大差はないか。中沢山山頂(494m)には聖観音菩薩像が立っていた。金毘羅山山頂(514m)ではテーブル・ベンチの背後に、木の枝をうまく利用してザックをひっかけられるフックが設置されていた。地元の人の粋な計らいでセンスがいい。

大洞山(536m)を通過し、大垂水峠からがんばって上がった。城山カットははじめからその予定。大垂水峠からこちらに来る人は数人しかいなかった。広々とした緩やかな坂をゆっくり登ること45分で公園のような一丁平に到着。とてもにぎわっていたが、幸い一角のテーブル・ベンチが空いていた。さあ、待望のランチタイム。鶏づくし弁当と鮭のり弁だ。おいしいねえ。たまにはこういう山行もいい。

食後に展望広場に上がって見たが、やはり富士山は午後には霞隠れ。高尾山山頂(599m)に寄っていくと、こちらはまだ桜がきれいだった。人が増え、平均年齢が下がったようだ。子供たちも元気に歩いていた。さすがにみんなマスクを着けていた。下山は6号路を選ぶと、まだ新しい木の階段が長く続いたのには驚いた。その後、沢沿いの道になってゴールの高尾山口駅へ。

南高尾山稜は秋あたりにボッカ訓練などにもよさそうだ。その時は、高尾山から稲荷山コースを下ってみたい。気づけばハート型トレールを、ぜひ皆さんとごいっしょに。

伊豆ヶ岳 歩荷トレーニング(2020年12月12日)

年末の焼岳冬合宿(※)の準備山行(歩荷トレーニング、装備点検など)として、伊豆ヶ岳に行った。冬合宿には参加しないNさんも新品の靴とパンツで加わってくれ、6名の山行となった。伊豆ヶ岳は、昨年の歩荷トレで予定を切り上げて武川岳から降りたため登り損ねた山であり、さらには遙か28年前にもイタローメンバーで歩いているが、記憶が薄れている山でもある。この日、予報以上の晴れとなり、上記の目的も達成して晩秋の山歩きを楽しむことができた。

飯能駅からの西武秩父行電車は登山者で満席となったが、東吾野で何かイベントがあるのか大勢の人が降りた。駅右手の少し傾いた階段を降り、線路下のトンネルをくぐって車道をしばらく行くと正丸峠分岐。ツアーらしき団体さんは左の山道へ、私たちはさらに車道を正丸峠方面に歩いて関東ふれあいの道に入る。すぐに右側にボルトの打たれた岩場があったが、暗い感じであまり登りたいとは思わなかった。沢沿いから最後の急坂を登ると奥村茶屋の裏から正丸峠の車道に出る。伊豆ヶ岳へは車道を渡らず茶屋の裏から左の尾根に上がる。その上で初めの一本。Tさん自作のスライス干し柿をいただいた。これはよい。

小高山、長岩峠で山座同定しながら五輪山に到着。ジャンボテントを張って点検するのに良さそうだと目星を付けていたところ。丸い広場にベンチが3台。十分過ぎるほどの広さだ。テントを確認したらたたんで銀マットを広げ、コンロのチェック。Yさんに小さいコッフェルとボンベを持ってきてもらったが、なかなかお湯が沸かず、本人が手でボンベを温めてもまだ待たされる。コンロの火力が弱いのかと思ったら、なんと!ボンベの栓を少ししか開けていなかったためだった。

合宿の共同装備分担が決まると、ジャンボテントとフライなどはそれぞれの人のザックに収まった。さらに、Sさんがみんなに持ってきてくれたおいしいりんごも収まった。ちなみに別のSさんは本番仕様とかで、曰く「シュラフとエアーマットを持ってきた」と。そういうこともあるのかと笑ってしまう。

伊豆ヶ岳山頂直下の男坂は、歩荷トレなのでもともと登る気は無かったがロープが張られ通行禁止となっていた。女坂の方も一部崩壊して新たなルートが切られていた。山頂はちょっと日本庭園のような趣があった。眼下に所沢の西武球場なども見える。周囲の景色を眺めたら、登ったルートを戻り、五輪山を通過して大蔵山から正丸峠分岐へと下る。途中で木の幹に顔を見つけ、点在する大きな岩には、かに岩、ふたご岩と名前があった。車道に出てまた駅の階段を上って終了した。

※ その後、緊急事態宣言が発出されたため、年末の焼岳冬合宿はやむなく中止とした。

西上州・四ッ又山~鹿岳 山歩き(2020年11月15日 前夜発)

西上州の岩々した山と紅葉を楽しみに出かけた。前日15時に新座駅を出発、高速道路は空いていたが、南牧村鹿岳駐車場の看板が小さく、暗いため見落として奥に入りすぎてしまった。戻る途中で対向車の地元の人に場所を教えてもらって到着。他に車は無く、トイレの建物の横にテントを張った。トイレは掃除され、きれいにしてあった。夜中に車が一台来て、翌朝にはさらに三、四台増えていた。

朝、テントをたたんで出発。車道を15分下って滝坂・大久保登山口から沢沿いを緩やかに登るとすぐ、「私有地だが駐車許可」という看板が立つ平地があった。二人組2パーティーが追い越していく。最後の急斜面を上がると天狗峠で反対側の展望も開ける。暖かな秋晴れがうれしい。

一息入れて四ッ又山への尾根の登り始めに大天狗と書いた石像があった。以前は小天狗も並んでいたそうだ。落葉した樹間から一ノ岳、二ノ岳の二つの鋭い岩峰から成る鹿岳も姿をのぞかせた。石像のある四ッ又山P1に着き、浅間山や鹿岳の写真を撮っていると10人ほどのパーティーが上がってきた。P2から先へは標識まで少し戻って降り、ロープのあるトラバースに入る。その後小さなアップダウンを越えると四ッ又山が終了したようだ。だいぶ下ってマメガタ峠。明るく気持ちのよい広葉樹の尾根を緩やかに進み、途中の見晴台に上がると梢の邪魔なく、周囲の山々が眺められた。

そしていよいよ鹿岳一ノ岳の岩壁に突き当たる。気を引き締めてロープ沿いに鹿岳のコルに上がると、休憩している人や二ノ岳から降りてきた人で混雑していたため、先に二ノ岳に進む。取り付きは梯子から始まり、10mほどの鎖を伝って斜上する。傾斜は急ではあるが、手すりになる木もあり慎重に足を運べば問題は無い。すれ違いはどこでもできるわけではないので待ってもらったり譲ったりしながらとなる。

山頂は360度の大展望で荒船山も間近だ。夜中、駐車場で一緒だった栃木からの男性も息を切らして上がってきた。三角点の先に続く平らな岩尾根でぽかぽか陽気の下の大休止。さらに先の岩峰にいる数人が絵になる。一ノ岳にも大勢登っている。そろそろ降りようとすると、ハーネスとへルメットを付け、ロープで数珠つなぎになった女性4人をガイドらしき人が連れてきた。私たちもスワミベルトを持ってきていたが今回は使わずに済んだ。

コルに降りて順番待ちがてら休んでから一ノ岳の登りにかかる。登ってみると二ノ岳よりも容易だった。こちらの山頂には他に二、三人のみなので静かでよかった。コルからは分岐を左に下高原登山口に向けて降りる。広葉樹の明るい尾根、少し緊張する岩稜と変化のあるルートを秋晴れに恵まれ、軽い荷物で歩けたいい山行だった。

中央アルプス前衛・経ヶ岳ピークハント(2020年10月3日 前夜発)

経ヶ岳は、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰に囲まれたど真ん中にある絶好のポジションの山ですが、なぜか認知度が高くない山です。おそらく、日帰りの山としては歩行時間が長くしんどいからでしょう。でも、権兵衛峠からのルートなら、まあまあの感じで行けそうだし、北沢山からの展望が良いそうなので出かけてみました。

辰野PAで車中泊して高速を降り、伊那側から木曽側に抜けるトンネルをくぐっってからトンネルの上にある峠に車を走らせました。伊那側からは通行止めだったからです。駐車場には古式ゆかしいトイレもありました。

峠からの道は、電波塔みたいな建物があるピークまで、みかん山にあるようなモノレールが続いていました。何だろうと思ったのですが、その建物への資材運搬用のもののようです。そこで3人の男性パーティーに会いましたが、あとはピークまで誰にも会いませんでした。

伊那谷と南アルプス

北沢山のあたりでは、伊那谷を一望でき、その背後の南アルプス連峰が並んでいます。普段よく見ているのとは逆の並びで、左に甲斐駒、右に荒川、赤石という並びです。振り返った方角には、目の前にデカデカと御嶽山があり、その右手に乗鞍、さらに槍・穂高も望むことができました。

御嶽山方面

この経ヶ岳は中央アルプスの並びにあるのですが、北沢山から少し登ったところで、一番近い木曽駒ヶ岳が大きく目の前に聳えているのが見えました。

木曽駒ケ岳

頂上へは、そこからさらにじっくりと登って行きますが、唐松がきれいで、その間から見えるピークが少しずつ近づいてきます。

稜線より経ヶ岳

そうしてたどり着いたピークにはちょっと細顔の観音様がいて、展望もありますが樹林に囲まれているシブい感じの所でした。別方向からやってきた登山者が何人かいましたが、長丁場ゆえか、すぐに降りて行ってしまい、山頂でも静かな時間を過ごせました。

山頂の観音様

経ヶ岳は、周りに超有名山岳があるせいか、いい山なのに人が多くないようです。でもその静かなところがかえって魅力のいい山だと思います。

瑞牆山・金峰山ピークハント(2020年9月20~21日 前夜発)

新型コロナの感染拡大防止にも配慮しつつ、久しぶりのテント泊を実施。4名+途中から2名参加で6名の山行となった。

瑞牆山荘の駐車場に前夜泊し、翌朝7時に行動開始。駐車場の横から白樺やミズナラの林が続いている。1時間ほど歩くと目の前に瑞牆山の山容が姿を現した。そこからすぐに富士見平小屋に到着。林の中のテント場という感じで、タープも張りやすい。富士山が見えるようには思えなかったが、とても良いテント場。

テントとタープを張っていると雨が降ってきてしまった。雨がだいぶ強くて、今日はもう瑞牆山には行けないかと思うほどだったが、1時間ほど休んだところで小雨になり、山行開始。

瑞牆山の途中には大岩がいくつかある。桃太郎岩は本当に桃が割れたようにきれいに真っ二つになった大岩。雨上がりだからか、元気なキノコをたくさん見つけた。種類もたくさんあって目を楽しませてくれた。シャクナゲの「花芽」もたくさんついていた。

漫画みたいなキノコ。かわいいようなグロテスクなような。

瑞牆山頂に着いてもガスで何も見えなかったが、休んでいると雲が切れてきて少し周りが見渡せた。富士山は見られなかったけど、崖っぷちからの景色を楽しむことができた。雨が止んで本当によかった。

瑞牆山頂。雲の感じがドラマティック!

14時過ぎにテント場に戻りばらくすると後発隊の2名が到着。高速道路が大渋滞で大変だったようだが、食べ物とビールもたくさん持って来てくれた。隣にテントを張っていたソロ女性にも声をかけて一緒に晩酌。彼女も東京からということで会話が弾んだ。今回のメンバーの内1名はテント泊初ということだったが、天気も回復してくれたおかげで、テントならではの開放的な気持ちを存分に味わえたようだ。

富士見平の木立の中のテント場。若干斜面だが気にならないし水はけも良かった。

翌朝6時、金峰山に向けて出発。こちらもまた林の雰囲気がとても良い。針葉樹と広葉樹がバランスよく生えていて、明るくて苔もきれい。静かな林を満喫しながらゆっくり登っていく。

明るくて静かな森。風で木の幹や葉がこすれる音も良い。

しかし昨日の瑞牆山の方ではあまり人がいなかったが、こちらは続々と人が登っていく。中には熊鈴をずっと鳴らしている人もいてちょっとうるさかった。これだけ人がいたら熊も出てこないと思うし、鳥や小動物たちもびっくりしてしまうから、もう少し配慮してほしいなぁと思った。

砂払の頭から急に木の高さが低くなり、視界が開けてくる。植生もダケカンバやハイマツなどに変わった。道の右側が断崖になっていて、龍の鱗のように石が逆層で連なっているところは凄みがあってカッコよかった。登山道は鎖もしっかりつけられていて、慎重に行けば問題無い。ただ、人が多かったのですれ違ったりするのには時間がかかった。

山頂が見えてから実際に着くまでは思ったより長く感じた。金峰山の山頂標識を確認し、五丈岩の前の大きな広場で休憩。五丈岩は登山道から見るととんがった塔のようだったが、山頂側から見ると四角い大岩が積み木のように積み上げられて大きな砦のよう。中学生くらいの少年が五丈岩のてっぺんまで登っていて、休憩していたギャラリーの注目を集めていた。ガスっていたため富士山の頭が少し見えた程度で、大展望というわけではなかったが、風もなく暑くもなく、気持ちの良い気候だった。

金峰山頂からの帰り。登り返しもあるがこの稜線はカッコよくて好き。

帰りはほぼ下りっぱなしで、久しぶりの山歩きの身にはなかなか長く感じた。14時半頃に富士見平のテント場に着くと前日よりもテントが増えて賑わっていた。テントを撤収して15時半に瑞牆山荘駐車場に下山した。

テントは密閉密接になりがちだが、今回、テント内ではなるべくマスクを着けて、タープも使ったりして気を遣いながらの山行となった。手指の消毒もマメにしつつ、引き続き感染拡大防止に配慮しながら、できるだけテント泊も続けていきたい。

倒木の上に生まれた芽にはいつも勇気づけられる

北アルプス 奥大日岳・立山登山(2020年8月17~22日)

コロナ禍でお盆休みに遠出はNGということで、お盆明けに怖々と富山県を目指した。北陸道の有磯海PAに着いて、北陸新幹線を眺めながらご飯を食べ、車中泊。

早朝、立山駅に向かって出発。立山駅からケーブルカーで美女平へ。美女平から室堂へのバスも思っていたほどは混んでおらず、ゆったり座れた。50分のバス旅では観光案内が流れ、徐々に標高を上げる度に移り変わる景色に見入っていた。

みくりが池

室堂では立山自然保護センターに直行。雷鳥サミットという企画があり、雷鳥の生態など詳しく展示されていて興味深い。その後、名水100選に選ばれている立山玉殿の湧水を汲み、みくりが池へ。上から見る水の色は深い青色で、立山を映している。見とれて歩いていると硫黄の匂いが。エンマ台から見る地獄谷はその名の通り噴煙を上げている。さらに進むと雷鳥沢キャンプ場が見えてきた。小川を見下ろし、目の前に立山がドーンと見える位置にオニドームを張った。

アーベントロート

午前3時に起き、朝日とともに奥大日岳に向けて出発。雷鳥が目撃されやすいという場所まで来たが、現れる様子はなく、諦めかけていた時に、ふと大きな茶色の大きな石を踏みそうになった。なんとそれが雷鳥で、足元を歩いているではないか!そーっと観察すると、ぷっくりとしたお腹や目の上の赤いお化粧など、可愛さ満載。すっかり雷鳥ファンになった。

雷鳥発見!

雷鳥を見送った後、お花畑の稜線を進むと頂上に着いた。遠くに富山湾を臨み、目の前には剱岳が見える。その姿は凛々しく、力強く、惹きつけられる。夢中になってスケッチをしていたら80歳の登山者が登って来た。ひとしきりお話をして、こんな風にずーっと登山を楽しみたいなと改めて感じた。

奥大日岳付近で剱岳と

来た道を下山し、もうすぐテント場というところで、頂上で会話したご夫婦が湧水を汲んでいた。聞けば、地元の人に教わった秘密の湧水だそうだ。早速口にしたら冷たくておいしい!今夜のお料理用にペットボトルに詰めてテントに持ち帰った。

この日も満点の星空の下、午前3時起床。朝日とともに、7割くらい綿毛になったチングルマの中を進み、一ノ越山荘に到着。澄み渡った青空の下、はるか彼方に富士山も見えている。雄山までは石がゴロゴロの急坂を登って行く。鳥居をくぐってさらに岩の道を登ると3003mの頂上だ。ここからの大パノラマは圧巻。黒部ダムもはるか下に見えている。

雄山より後立山

次の大汝山までは大きな岩がゴロゴロ、左側はガレた斜面の道をほぼ水平に少しずつ登っていく。緊張を強いられる登山道だが、なんと岩の上にオコジョが!とてもカメラを構える余裕はなかった。必死で目で追っていくと岩の中に入ってしまったが、よく写真で見るような目がクリクリでキョトンとした顔を出してくれた!目が合った瞬間、もう姿はない。あー本当にかわいい。なんと幸運なんでしょう!

剱岳とヤナギラン

大汝山の頂上からはまた剱岳が別の角度から颯爽とした姿を見せてくれた。次は富士の折立。岩を登って2999mに着くと少しガスってきたが、先の道がくっきりと見えていた。巨大な白い屋根の頂点を真っすぐ進んでいるような、そんな道だ。真砂岳も登ってテント場に戻ると、今登って来た稜線がくっきりと見えている。あの道を歩いたんだなーと、オニドームの前でビールを飲みながら夕日に染まる立山を飽きずに見ていた。

夕暮れ

翌日も晴天。ゆっくり起きてオニドームを撤収。帰りがたいが、帰るしかない。あとは、みくりが池温泉のげんげのから揚げを食べて帰らねば!げんげとは白身の深海魚で、白エビとともに富山名物のようだ。ずーっとテント飯だったこともあるが、このランチがとてもおいしかった。室堂ターミナルには大きなお土産屋さんもあり、雷鳥尽くしのお土産をゲット!

室堂ターミナルからバスに乗って下山。その後は車に乗り換えて富山の旅を楽しんだ。日帰り温泉の後はホタルイカ尽くし定食やホタルイカのしゃぶしゃぶを食べ、日本海に沈む夕日を眺めた。翌日は田んぼアートを見たり、山羊の杜という手作り施設に立ち寄ったりした後、魚津埋没林博物館に行った。ここでは、富山の蜃気楼についても学べたし、全く知らなかった埋没林について先人たちの思いに触れ、実際の埋没林見学もでき、静かな感動が込み上げてきた。

コロナで諦めかけていた夏山登山が最高に良い条件で実行できたことに感謝!

奥多摩 南秋川水系 軍刀利沢 沢登り(2020年8月16日)

軍刀利沢(ぐんだりさわ)へ行く気になったのは、山行自粛していた6月にある登山ガイドの方が教えてくれたからだ。「先日行った軍刀利沢は、土砂が減りナメ床が増えて、なかなかステキでした。沢登り再開の最初にお勧めします。結構ヘトヘトになれますよ!」というわけでー。

長引いた梅雨がやっと明け、会員6名で久しぶりの山行。ホリデー快速あきがわ1号で武蔵五日市駅に7:55着。その直後の数馬行きバスは急行のため下車予定の南郷バス停は通過とのこと。タクシーは6,000円もするとのことで、結局1時間待って次のバスに乗った。

南郷から矢沢林道を約1時間歩いて出合へ。バスのこともあって入渓は11時と遅い時間になってしまったが、短い沢なので心配はない。すぐに小さい滝が適当な間隔で出てきて、それなりに快適。そのうち、大人数(一種のツアーのような山行グループ?)が下降してきてびっくりする。

最後はヤブこぎもなく尾根に出たのが14:50。浅間峠経由で上川乗バス停への下りでは暑くてまさにヘトヘトになる。17:47のバスで武蔵五日市駅へ。なお、もし次にまた行くとしたら、先のグループのように沢を下降して南郷に戻るのもアリではないか。その方が早いし練習になりそうだ。

短い沢ながら、滝身をノーザイルで登れる小滝が連続
やっぱりシャワークライミングは気持ちいい
“へつり”の練習にも良い

奥武蔵・仙元尾根~蕎麦粒山~有間尾根(2020年2月9日 前夜発)

圏央道狭山日高ICを降りて浦山大日堂のあたりで前夜泊し、翌朝6:20に出発。道路を少し戻り橋を渡って、いきなりの急登にあえぎ、鉄塔のある仙元尾根稜線に上がると雪が出てきた。そこから緩やかに樹林を行く。

仙元尾根の登り

踏み跡は尾根上にも斜面にもあり、どちらを行ってもいい。天気は良く、荷物も軽いのが嬉しい。大楢を過ぎると傾斜が急になり、雲取方面からの西風が冷たい。登り切ったらそこが仙元峠。

ぽかぽか陽光の仙元峠で一休み

蕎麦粒山の山頂は少し寒かったので富士山を眺め、写真だけ撮って降りる。そこで初めて一人の対向者あり。その方は奥多摩側を周回する予定だったが、道路崩壊のため住民以外は通行禁止でピストン行程になったとのこと。我々は秩父側の周回だから大丈夫。明るく広い尾根を快適に下って日向沢の峰。この分岐を左に下る。

有間峠は車道のヘヤピンカーブの頂点になっている。進行方向右の道路に有間山登山口がある。有間山で一休みし、小さなアップダウンを繰り返し、カヤトの中に奇岩の点在する尾根道を緩やかに下る。

有間山から鳥首峠に向かう

最後のピークからは一転、標高差80m程の急下降。固定ロープを頼りに降りる。降り切った鳥首峠からはあまりおもしろくないトラバースルートで、沢を渡る箇所は崩落していてわかりにくかった。廃墟(?)を過ぎると間もなく林道終点に出た。車に戻ったのは陽も落ちた17:40。結果的にだいぶ時間がかかってしまったが、青空の下、変化に富んだコースをゆっくりと満喫できた。

北アルプス・蝶ヶ岳 冬合宿(2019年12月28~30日)

今回の冬合宿は5名で蝶ヶ岳に向かった。(本当は6名の予定だったが腰痛で急きょ不参加になってしまった会員がいて、本人もとても無念そうだった。。。)

初日は松本駅で集合してタクシーで釜トンネル入口まで移動。釜トンネルは電灯がなく真っ暗で、歩道はあるがヘッドライトが無いと車にはねられそう。作業トラックも行き交っていて騒音や排気ガスもあり、とても長く感じた。釜トンネル、上高地トンネルから大正池のあたりまではスノーハイクを楽しむ観光客も多くいた。

上高地バスターミナルまではコンクリート道だったがそれほど雪もなく、路面に薄っすら雪がある程度で、ツルツルというわけでもなく、割と歩きやすかった。

誰もいない河童橋

GWや夏には写真を撮るのが大変なほど賑わう河童橋も、この日は誰もいなくて格別な贅沢感を味わった。少し曇っていて、岳沢などはほとんど見えなかったが、人がいないと言うのはそれだけで得した気持ちになるから不思議だ。だから雪山はいい。

上高地の沢は透明度が高い!寒くても輝くようなグリーン。クロカワゴケと言うそうです。

上高地から先は砂利道となり、雪も少し厚くなったが、トレースがくっきりついておりたくさんの人が入っているようだった。

16時過ぎに徳沢に着くと、広いテント場に20ほどのテントが並んでいてびっくり。歩いて来るときはたぶん誰にも抜かされなかったのだが、急に賑わいを感じて嬉しいようながっかりしたような。ここには冬期用トイレも用意されており、さすが上高地と思った。翌日の蝶ヶ岳への登山口を確認した上で幕営。

テントに転がり込んで翌日の行程について相談。元々は、翌日にテントを持って長塀山あたりまで行ってテントを下ろして蝶ヶ岳山頂ピストンして長塀山に戻って幕営、翌々日に長塀山から釜トンネルまで下山という計画だった。しかし荷物も重いし、これだけ登山者が多ければトレースもしっかりついてそうなので、翌日はテントを徳沢に張ったまま山頂ピストンすることにした。1日の歩行距離は長くなるが、荷物が少なければ時間的にはその方が早いかもしれない。

今回は年末だし初日が水平移動のみということもあり、夕食は豪華にすき焼きを食べた。牛肉と野菜、しらたきや豆腐が甘辛いタレに絡んで最高においしかった。ワイワイ言いながら締めのうどんもきれいに平らげて、とても幸せな夕食だった。夜には満天の星空が眺められて、翌日の好天を予感させた。

間違いなく今年最もおいしい夕食だった

3:30に起床。初めからアイゼンをつけたが、あまり凍ってもなく歩きやすかった。おとといあたりに雪が降ったんだろう。ずっと樹林帯の急斜面でジグザグに登っていく。明るくなって木の合間から山並みが少し見えるのだが、雪をかぶった針葉樹に阻まれてよく見えない。空も青空で、早くきれいな山並みを見たいという思いが募る。たまに出てくる少し平らなところも樹木には囲まれていて景色はよくないが、テントを張っているパーティーも3つほどあった。休憩するポイントも少なく、雪を踏みしめて静かに登っていく。

2日目の朝。樹林から朝日が差し込む。

山頂直下で急に樹木がなくなり、雪たっぷりの窪地が現れ、ここで初めて広い青空を臨めた。きれいな新雪で思わず埋まりたくなる。そこから少し登ると急に涸沢岳や北穂高岳が目の前に現れた。びっくりするくらいの近さで目の前に広がっていて、まさに息を呑んだ。それまでずっと樹林帯で全然景色が見えなかったので、なおさら衝撃的に感じた。なかなか憎いルートだ。

風紋がきれい。右に乗鞍岳、左奥に御嶽。

山頂のあたりはさすがに風があったものの、立っているのが苦というほどでもなく、記念撮影する余裕も十分あった。360度の大パノラマで、最高の天気。槍ヶ岳、富士山や荒船山なども見えた(他にもいろいろ見えていたのだが、形からわかる山がこれくらいしかないのが悲しい・・・)。

蝶ヶ岳山頂からの西側のパノラマ。丸見え~!
眼前に広がる穂高連峰。右から北穂、涸沢岳、奥穂、前穂、その左奥に明神岳。

しばし山に見とれるが、じっとしていると寒いので、さっきの窪地まで戻って休憩。何パーティーかが通り過ぎて行ったが、誰もがその窪地を上がったところで現れる景色に歓声を上げていて、「何これ~!やばい!」などの声が聞こえて、それもまたおもしろかった。

窪地は踏み跡のない雪がたっぷりで遊びたくなる
ついついやりたくなるよね

名残惜しいがまた樹林の急斜面を下山。無事にテントに着くと靴を脱いで身軽になり、早速ガスを焚いて温まる。この瞬間も冬山のいいところだ。足が軽くなってじんわりと体が温まってくる。この日の夕食は各自用意した物を食べる。明日は下山だけだと思うとお酒も進む。翌日のために雪を溶かして行動水を作り就寝。

徳沢に戻ってきたのは15時。荷物は軽かったけどやっぱり疲れたー。

翌朝は昨日と打って変わってしんしんと雪が降っていた。この日はもう上高地に向かって水平移動だけなので、本当に昨日登頂できてよかったと思った。行きは上高地から明神まで左岸の車道を歩いてきたが、帰りは右岸を歩くことにした。雪景色の梓川は見るだけでも冷え冷えするが静謐な感じがとてもよかった。しかし、新雪の積もった木道は境界がわかりにくく足を踏み外しそうだし、ところどころ凍って危なかったので、結局右岸の車道を歩いた。車道は車道で、車輪のわだちは凍っているし、わだちを避けると結構雪が積もっていて進みづらい。結局行きよりも1時間くらい余計にかかってしまった。やはりどんどん雪が積もっている中では進み方が全く違う。

上高地バスターミナルのあたりには猿たちが樹上で木の芽を食べていた。体に雪を積もらせながら親子猿がくっついている様子は、夏に見る猿よりもずいぶんかわいらしく見えた。

冬毛がふっさふさ。赤い顔が目立つ。
大正池に浮かぶミステリーサークル?

中の湯でバスに乗車し松本駅へ。松本駅に着いて駅ビルの居酒屋で乾杯、昼食。山の中の食事もおいしいけど、こういう食事もまたおいしい。最高の景色も見られたし、雪山の魅力をたっぷり味わうことができた。一年を締めくくるとても良い山行だった。

北アルプス 唐松岳八方尾根(2019年12月10-11日)

今年は雪がなかなか降らず、白馬八方尾根スキー場の一番上のグラートクワッドはまだ動いていませんでしたが、ゴンドラアダムとアルペンクワッドを乗り継いでみると、歩く分には十分な雪の世界でした。

グラートクワッドの下は結構急斜面で最初から体力を使いました。天気も良く汗だく。。。

八方池山荘から上でもバックカントリーの人やスノーハイクを楽しむ人がちらほらいて、トレースはしっかりついていました。所々ズボッと足がはまるのが疲れるので、途中でワカンを付けました。スノーシューのトレースもたくさんありました。

途中、雪面で2千円が落ちているのを発見!トレース上にそのまま落ちてたのが不思議でしたが、それほど風がなかったということです。そのすぐ後に別のパーティーに会ったので、念のため聞いてみたら落とし主がいました。良かった良かった。

八方尾根から眺める五竜岳は黒菱は見えませんが、遠見尾根がなだらかに長く伸びていて、山頂手前のところは急な岩場になっているようでした。五竜岳の向こう側には鹿島槍ヶ岳がきれいな双耳峰を見せつけていてひときわかっこ良かったです。

雪面がまぶしい!

この日は下の樺付近で幕営。下の樺というところは特に看板などはなさそうでしたが、樺の木に囲まれていて風も来なくて良い幕営地でした。この日は夜になってもほぼ無風で、山の歌も口ずさみながら、満月と雪で明るい楽しい夜を過ごしました。

雪を平にならしてテント(アライ エアライズ)を広げる。

翌朝も前日と同様、最高の天気。北には白馬鑓ヶ岳、東には八ヶ岳や南アルプスもよく見え、富士山もオレンジに輝いていました。

モルゲンロートの白馬鑓ヶ岳

テントは張ったままで、前日よりも身軽になって行動開始。下の樺から上の樺へは急斜面で、ワカンではちょっと登りにくかったです。

朝の稜線歩きは楽しい!

丸山を過ぎたあたりから風も出てきて雪が飛ばされて岩が露出しているところもあり、全員アイゼンとピッケル装備に変更。風の影響だと思いますが、踏み跡が浮き上がっているところがあってとても面白かったです。風紋がついた雪面に動物の足跡(狐か犬?)が浮き上がっていて、波の上に浮かぶ花びらのようです。

踏まれたところが硬くなった後に周りの雪が飛ばされて浮き上がっている?なんだか不思議。

このあたりから唐松岳山頂もようやく見えてきました。唐松岳から北に伸びる不帰嶮~天狗尾根も人を寄せ付けなさそうな迫力がありました。

唐松岳頂上山荘への手前あたりはロープがつけられていて、左側が崖になっている箇所もあり、そこは慎重に通りました。頂上山荘付近はさすがに風が強くて、雪粒が顔を叩き、時々ふらついてしまうほどです。でもここまで来ると剱岳も槍ヶ岳も視界に入ってきて本当に美しい。

唐松岳頂上山荘の周りは強風で雪が無い。

頂上も360度見渡す限り白い山並が拝むことができましたが風で立っているのが辛いので、写真だけ撮って早々に下山開始。八方尾根に戻るとパタッと風が来なくなり、気持ちが楽になりました。

どっしりとした剱岳をバックに。

下りは下りで久しぶりの雪山で足に負担が来て、予定よりも時間がかかってしまいました。アルペンクワッドの営業時間が15時までなのですが、何とか14:30には着いて無事に下山できました。力不足な面もありましたが、良い行いのおかげか天気に恵まれ、最高の山行ができました!