北海道合宿① 硫黄山~羅臼岳縦走(2018年7月13~14日)

今年は会員9名で5泊6日の北海道合宿を行いました。硫黄山~羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳を登る計画で、まずは硫黄山~羅臼岳縦走についての報告です。

9名という大人数なのでレンタカーは2台とし、それならば硫黄山~羅臼岳縦走は2班に分かれ、それぞれ反対側の登山口から登って野営地で合流、車のキーを交換して反対側に降りる”クロス縦走”をやってみようということになりました。

硫黄山側の登山口はカムイワッカ湯の滝の奥。事前に許可をとって自家用車でバス停近くの駐車場に停め、いざ登山開始。登山口の掲示板に熊目撃情報があり、昨日もすぐこの先で見たという情報が書かれていました。こちらから登るのは4名(B班)。鈴を鳴らし歌を歌い、わいわい騒ぎながら進みます。この日は天気があまりよくなく、ガスで先のルートはよく見えませんでした。それでもオホーツク海にイルカか何かの群れがジャンプしているのが見えました。

硫黄~知円別の中間あたり。砂の急斜面が堪える。

硫黄山に向かう雪渓は割としっかりしていて崩れる心配は無さそう。一部急なところがあり、鹿も滑ったような足跡がありました。硫黄山の山頂直下はザレていて落石に注意しながら進みました。知円別岳に向かう時はすっかりガスの中で視界が悪く、砂礫で踏み跡もよくわからず、一か所、誤ってガレ場の急斜面を降りてしまったりもしました。南岳のあたりまで来ると少し視界が晴れ、北方領土の島や知床五湖などが見えてきました。日本海とオホーツク海を両手に見ることができ、知床半島にいるのだということを実感し、みんなで歓声を上げました。

エゾコザクラ

硫黄山付近からの知床半島の先端(これはA班が2日目に撮った写真。1日目にB班が通った時は何も見えませんでした)

10時間くらいかかってなんとか二ツ池野営場に到着。1.5時間ほどで岩尾別側からの5名(A班)も到着。お互いに予定よりも時間がかかりましたが、皆元気で再開(笑)を喜び合いました。二ツ池はイタロー以外にもう1パーティーがいたのみで、広々とした快適なテント泊を楽しみました。お互いが歩いてきたルートの情報を交換し、翌日も無事に降りて宇登呂のセブンイレブンでの合流を約束しました。そして車のキーも忘れず交換!

朝の二ツ池。向こう側は南岳。

二日目は朝から天気が良く、羅臼岳もよく見えました。青空に映えるシナノキンバイやエゾコザクラ、ツガザクラ、チングルマ、チシマフウロ、ヨツバシオガマ、シャクナゲ、エゾカンゾウなどなど、過去最高のお花畑を見ることができました。ところどころ現れる雪渓も気持ちが良く、冷たい雪解け水にも癒されました。(イタローメンバーはエキノコックスなんて気にしない人ばかり)

チングルマの大群落

こんどはシナノキンバイの大群落

三ツ峰から見た圧巻の羅臼岳。右手は雲海に覆われたオホーツク海。

羅臼平まで来ると大勢の登山客でにぎわっていました。ここまではほとんど人に会わず熊に怯えていたのでほっとしたような、でも隔絶された自然の中の山行が終わってしまって少し寂しいような気持ちになりました。さすが百名山です。山頂直下の岩場は渋滞するほどで、山頂も狭いので写真だけ撮って早々に退散。岩場の少し降りた所で休憩していたら、別のパーティーの女性が転倒し、頭から出血。あたりは少し騒然としました。幸い、そのパーティーの中の人たちで応急処置をして、本人も意識ははっきりとしていたので大事ではなかったようですが、目の前で事故が起こったのでかなりびっくりしました。自分たちも気を抜かずに最後まで無事故で歩こう、と気持ちを引き締めました。

羅臼の山頂直下

大沢の雪渓はまだまだ厚くしっかりしていて、こちらはステップもしっかりついているので楽に降りられました。そのあとの樹林帯の下りはあまり変化が無く、樹木で景色もそんなに見えないし、とても長く感じました。岩尾別から山頂ピストンだったら大して花も見られないし、池に写る山々や硫黄山側の火山の景観なども見れないので、やっぱり縦走して良かったなぁと思いました。

長く続く大沢の雪渓

左から硫黄山~オッカバケ岳あたり?歩いてきた稜線。

木下小屋に着いて炭酸飲料をがぶ飲みし、車を発見して一安心。A班はとっくに予定のコンビニに着いているのでは、と思っていたが我々の方が先に到着し、そのほぼ5分後くらいにA班も到着。再び再会を喜び合いました。温泉に入って夕食の時もA班B班それぞれに起こったできごとや珍事を報告しあい、大いに盛り上がりました。おかげ様で大成功のクロス縦走でした!

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