このルートはイタローメンバーのYさんが前から歩きたいと思っていたようだが、タイミングよくNHKBSの「にっぽん百名山」で紹介された。静かな山歩きで7サミットを踏破するという売りだ。
このコースの登山口は、高尾山口駅から高尾山と逆方向に少し戻ると紹介されていたので国道20号を進んでみたが見当たらないので地図を確認して戻り、地元の人にも教えてもらい、川を挟んで駅前の「高尾山入口」の信号を左に曲がると草戸山への道標があった。
建物のわき道から入り、尾根上の四辻に上がった。ここからは明るい林の中を多少上ったり下ったりしながら徐々に高度を上げていく快適なハイキングがずっと続いた。樹木も草花も若葉が芽吹き、可憐な花をつけた風光る春真っ盛り。
はじめはわりと静かだったが、草戸山(364m)あたりまで行くと登山者が多くなった。山頂の展望台からは市街地がはるか遠くまで見渡せた。左下、木々の間に青く輝く城山湖を見ながら進む。三沢峠の先には立木にフクロウが、西山峠の先では倒木に竜が彫られていた。これは、前述のテレビ番組で地元の人が鋸で形作ったと紹介されていた。お見事!
そしてこういうちょっとした広場には木のベンチやテーブルが置かれている。もう少し行くと南面の展望が開けた富士見台ベンチがあり、眼下に津久井湖、山稜やや右方向に富士山が白い頭を出していた。日本一の山。このおかげで秀麗富嶽○○など注目してもらえる恩恵を受けた山がどれほどあることか。
三沢峠から大洞山あたりまでは忠実な尾根ルートとすぐ下にトラバースルートがあり、どちらでも大差はないか。中沢山山頂(494m)には聖観音菩薩像が立っていた。金毘羅山山頂(514m)ではテーブル・ベンチの背後に、木の枝をうまく利用してザックをひっかけられるフックが設置されていた。地元の人の粋な計らいでセンスがいい。
大洞山(536m)を通過し、大垂水峠からがんばって上がった。城山カットははじめからその予定。大垂水峠からこちらに来る人は数人しかいなかった。広々とした緩やかな坂をゆっくり登ること45分で公園のような一丁平に到着。とてもにぎわっていたが、幸い一角のテーブル・ベンチが空いていた。さあ、待望のランチタイム。鶏づくし弁当と鮭のり弁だ。おいしいねえ。たまにはこういう山行もいい。
食後に展望広場に上がって見たが、やはり富士山は午後には霞隠れ。高尾山山頂(599m)に寄っていくと、こちらはまだ桜がきれいだった。人が増え、平均年齢が下がったようだ。子供たちも元気に歩いていた。さすがにみんなマスクを着けていた。下山は6号路を選ぶと、まだ新しい木の階段が長く続いたのには驚いた。その後、沢沿いの道になってゴールの高尾山口駅へ。
南高尾山稜は秋あたりにボッカ訓練などにもよさそうだ。その時は、高尾山から稲荷山コースを下ってみたい。気づけばハート型トレールを、ぜひ皆さんとごいっしょに。