北アルプス・蝶ヶ岳 冬合宿(2019年12月28~30日)

今回の冬合宿は5名で蝶ヶ岳に向かった。(本当は6名の予定だったが腰痛で急きょ不参加になってしまった会員がいて、本人もとても無念そうだった。。。)

初日は松本駅で集合してタクシーで釜トンネル入口まで移動。釜トンネルは電灯がなく真っ暗で、歩道はあるがヘッドライトが無いと車にはねられそう。作業トラックも行き交っていて騒音や排気ガスもあり、とても長く感じた。釜トンネル、上高地トンネルから大正池のあたりまではスノーハイクを楽しむ観光客も多くいた。

上高地バスターミナルまではコンクリート道だったがそれほど雪もなく、路面に薄っすら雪がある程度で、ツルツルというわけでもなく、割と歩きやすかった。

誰もいない河童橋

GWや夏には写真を撮るのが大変なほど賑わう河童橋も、この日は誰もいなくて格別な贅沢感を味わった。少し曇っていて、岳沢などはほとんど見えなかったが、人がいないと言うのはそれだけで得した気持ちになるから不思議だ。だから雪山はいい。

上高地の沢は透明度が高い!寒くても輝くようなグリーン。クロカワゴケと言うそうです。

上高地から先は砂利道となり、雪も少し厚くなったが、トレースがくっきりついておりたくさんの人が入っているようだった。

16時過ぎに徳沢に着くと、広いテント場に20ほどのテントが並んでいてびっくり。歩いて来るときはたぶん誰にも抜かされなかったのだが、急に賑わいを感じて嬉しいようながっかりしたような。ここには冬期用トイレも用意されており、さすが上高地と思った。翌日の蝶ヶ岳への登山口を確認した上で幕営。

テントに転がり込んで翌日の行程について相談。元々は、翌日にテントを持って長塀山あたりまで行ってテントを下ろして蝶ヶ岳山頂ピストンして長塀山に戻って幕営、翌々日に長塀山から釜トンネルまで下山という計画だった。しかし荷物も重いし、これだけ登山者が多ければトレースもしっかりついてそうなので、翌日はテントを徳沢に張ったまま山頂ピストンすることにした。1日の歩行距離は長くなるが、荷物が少なければ時間的にはその方が早いかもしれない。

今回は年末だし初日が水平移動のみということもあり、夕食は豪華にすき焼きを食べた。牛肉と野菜、しらたきや豆腐が甘辛いタレに絡んで最高においしかった。ワイワイ言いながら締めのうどんもきれいに平らげて、とても幸せな夕食だった。夜には満天の星空が眺められて、翌日の好天を予感させた。

間違いなく今年最もおいしい夕食だった

3:30に起床。初めからアイゼンをつけたが、あまり凍ってもなく歩きやすかった。おとといあたりに雪が降ったんだろう。ずっと樹林帯の急斜面でジグザグに登っていく。明るくなって木の合間から山並みが少し見えるのだが、雪をかぶった針葉樹に阻まれてよく見えない。空も青空で、早くきれいな山並みを見たいという思いが募る。たまに出てくる少し平らなところも樹木には囲まれていて景色はよくないが、テントを張っているパーティーも3つほどあった。休憩するポイントも少なく、雪を踏みしめて静かに登っていく。

2日目の朝。樹林から朝日が差し込む。

山頂直下で急に樹木がなくなり、雪たっぷりの窪地が現れ、ここで初めて広い青空を臨めた。きれいな新雪で思わず埋まりたくなる。そこから少し登ると急に涸沢岳や北穂高岳が目の前に現れた。びっくりするくらいの近さで目の前に広がっていて、まさに息を呑んだ。それまでずっと樹林帯で全然景色が見えなかったので、なおさら衝撃的に感じた。なかなか憎いルートだ。

風紋がきれい。右に乗鞍岳、左奥に御嶽。

山頂のあたりはさすがに風があったものの、立っているのが苦というほどでもなく、記念撮影する余裕も十分あった。360度の大パノラマで、最高の天気。槍ヶ岳、富士山や荒船山なども見えた(他にもいろいろ見えていたのだが、形からわかる山がこれくらいしかないのが悲しい・・・)。

蝶ヶ岳山頂からの西側のパノラマ。丸見え~!
眼前に広がる穂高連峰。右から北穂、涸沢岳、奥穂、前穂、その左奥に明神岳。

しばし山に見とれるが、じっとしていると寒いので、さっきの窪地まで戻って休憩。何パーティーかが通り過ぎて行ったが、誰もがその窪地を上がったところで現れる景色に歓声を上げていて、「何これ~!やばい!」などの声が聞こえて、それもまたおもしろかった。

窪地は踏み跡のない雪がたっぷりで遊びたくなる
ついついやりたくなるよね

名残惜しいがまた樹林の急斜面を下山。無事にテントに着くと靴を脱いで身軽になり、早速ガスを焚いて温まる。この瞬間も冬山のいいところだ。足が軽くなってじんわりと体が温まってくる。この日の夕食は各自用意した物を食べる。明日は下山だけだと思うとお酒も進む。翌日のために雪を溶かして行動水を作り就寝。

徳沢に戻ってきたのは15時。荷物は軽かったけどやっぱり疲れたー。

翌朝は昨日と打って変わってしんしんと雪が降っていた。この日はもう上高地に向かって水平移動だけなので、本当に昨日登頂できてよかったと思った。行きは上高地から明神まで左岸の車道を歩いてきたが、帰りは右岸を歩くことにした。雪景色の梓川は見るだけでも冷え冷えするが静謐な感じがとてもよかった。しかし、新雪の積もった木道は境界がわかりにくく足を踏み外しそうだし、ところどころ凍って危なかったので、結局右岸の車道を歩いた。車道は車道で、車輪のわだちは凍っているし、わだちを避けると結構雪が積もっていて進みづらい。結局行きよりも1時間くらい余計にかかってしまった。やはりどんどん雪が積もっている中では進み方が全く違う。

上高地バスターミナルのあたりには猿たちが樹上で木の芽を食べていた。体に雪を積もらせながら親子猿がくっついている様子は、夏に見る猿よりもずいぶんかわいらしく見えた。

冬毛がふっさふさ。赤い顔が目立つ。
大正池に浮かぶミステリーサークル?

中の湯でバスに乗車し松本駅へ。松本駅に着いて駅ビルの居酒屋で乾杯、昼食。山の中の食事もおいしいけど、こういう食事もまたおいしい。最高の景色も見られたし、雪山の魅力をたっぷり味わうことができた。一年を締めくくるとても良い山行だった。

北アルプス 唐松岳八方尾根(2019年12月10-11日)

今年は雪がなかなか降らず、白馬八方尾根スキー場の一番上のグラートクワッドはまだ動いていませんでしたが、ゴンドラアダムとアルペンクワッドを乗り継いでみると、歩く分には十分な雪の世界でした。

グラートクワッドの下は結構急斜面で最初から体力を使いました。天気も良く汗だく。。。

八方池山荘から上でもバックカントリーの人やスノーハイクを楽しむ人がちらほらいて、トレースはしっかりついていました。所々ズボッと足がはまるのが疲れるので、途中でワカンを付けました。スノーシューのトレースもたくさんありました。

途中、雪面で2千円が落ちているのを発見!トレース上にそのまま落ちてたのが不思議でしたが、それほど風がなかったということです。そのすぐ後に別のパーティーに会ったので、念のため聞いてみたら落とし主がいました。良かった良かった。

八方尾根から眺める五竜岳は黒菱は見えませんが、遠見尾根がなだらかに長く伸びていて、山頂手前のところは急な岩場になっているようでした。五竜岳の向こう側には鹿島槍ヶ岳がきれいな双耳峰を見せつけていてひときわかっこ良かったです。

雪面がまぶしい!

この日は下の樺付近で幕営。下の樺というところは特に看板などはなさそうでしたが、樺の木に囲まれていて風も来なくて良い幕営地でした。この日は夜になってもほぼ無風で、山の歌も口ずさみながら、満月と雪で明るい楽しい夜を過ごしました。

雪を平にならしてテント(アライ エアライズ)を広げる。

翌朝も前日と同様、最高の天気。北には白馬鑓ヶ岳、東には八ヶ岳や南アルプスもよく見え、富士山もオレンジに輝いていました。

モルゲンロートの白馬鑓ヶ岳

テントは張ったままで、前日よりも身軽になって行動開始。下の樺から上の樺へは急斜面で、ワカンではちょっと登りにくかったです。

朝の稜線歩きは楽しい!

丸山を過ぎたあたりから風も出てきて雪が飛ばされて岩が露出しているところもあり、全員アイゼンとピッケル装備に変更。風の影響だと思いますが、踏み跡が浮き上がっているところがあってとても面白かったです。風紋がついた雪面に動物の足跡(狐か犬?)が浮き上がっていて、波の上に浮かぶ花びらのようです。

踏まれたところが硬くなった後に周りの雪が飛ばされて浮き上がっている?なんだか不思議。

このあたりから唐松岳山頂もようやく見えてきました。唐松岳から北に伸びる不帰嶮~天狗尾根も人を寄せ付けなさそうな迫力がありました。

唐松岳頂上山荘への手前あたりはロープがつけられていて、左側が崖になっている箇所もあり、そこは慎重に通りました。頂上山荘付近はさすがに風が強くて、雪粒が顔を叩き、時々ふらついてしまうほどです。でもここまで来ると剱岳も槍ヶ岳も視界に入ってきて本当に美しい。

唐松岳頂上山荘の周りは強風で雪が無い。

頂上も360度見渡す限り白い山並が拝むことができましたが風で立っているのが辛いので、写真だけ撮って早々に下山開始。八方尾根に戻るとパタッと風が来なくなり、気持ちが楽になりました。

どっしりとした剱岳をバックに。

下りは下りで久しぶりの雪山で足に負担が来て、予定よりも時間がかかってしまいました。アルペンクワッドの営業時間が15時までなのですが、何とか14:30には着いて無事に下山できました。力不足な面もありましたが、良い行いのおかげか天気に恵まれ、最高の山行ができました!