北海道合宿① 硫黄山~羅臼岳縦走(2018年7月13~14日)

今年は会員9名で5泊6日の北海道合宿を行いました。硫黄山~羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳を登る計画で、まずは硫黄山~羅臼岳縦走についての報告です。

9名という大人数なのでレンタカーは2台とし、それならば硫黄山~羅臼岳縦走は2班に分かれ、それぞれ反対側の登山口から登って野営地で合流、車のキーを交換して反対側に降りる”クロス縦走”をやってみようということになりました。

硫黄山側の登山口はカムイワッカ湯の滝の奥。事前に許可をとって自家用車でバス停近くの駐車場に停め、いざ登山開始。登山口の掲示板に熊目撃情報があり、昨日もすぐこの先で見たという情報が書かれていました。こちらから登るのは4名(B班)。鈴を鳴らし歌を歌い、わいわい騒ぎながら進みます。この日は天気があまりよくなく、ガスで先のルートはよく見えませんでした。それでもオホーツク海にイルカか何かの群れがジャンプしているのが見えました。

硫黄~知円別の中間あたり。砂の急斜面が堪える。

硫黄山に向かう雪渓は割としっかりしていて崩れる心配は無さそう。一部急なところがあり、鹿も滑ったような足跡がありました。硫黄山の山頂直下はザレていて落石に注意しながら進みました。知円別岳に向かう時はすっかりガスの中で視界が悪く、砂礫で踏み跡もよくわからず、一か所、誤ってガレ場の急斜面を降りてしまったりもしました。南岳のあたりまで来ると少し視界が晴れ、北方領土の島や知床五湖などが見えてきました。日本海とオホーツク海を両手に見ることができ、知床半島にいるのだということを実感し、みんなで歓声を上げました。

エゾコザクラ

硫黄山付近からの知床半島の先端(これはA班が2日目に撮った写真。1日目にB班が通った時は何も見えませんでした)

10時間くらいかかってなんとか二ツ池野営場に到着。1.5時間ほどで岩尾別側からの5名(A班)も到着。お互いに予定よりも時間がかかりましたが、皆元気で再開(笑)を喜び合いました。二ツ池はイタロー以外にもう1パーティーがいたのみで、広々とした快適なテント泊を楽しみました。お互いが歩いてきたルートの情報を交換し、翌日も無事に降りて宇登呂のセブンイレブンでの合流を約束しました。そして車のキーも忘れず交換!

朝の二ツ池。向こう側は南岳。

二日目は朝から天気が良く、羅臼岳もよく見えました。青空に映えるシナノキンバイやエゾコザクラ、ツガザクラ、チングルマ、チシマフウロ、ヨツバシオガマ、シャクナゲ、エゾカンゾウなどなど、過去最高のお花畑を見ることができました。ところどころ現れる雪渓も気持ちが良く、冷たい雪解け水にも癒されました。(イタローメンバーはエキノコックスなんて気にしない人ばかり)

チングルマの大群落

こんどはシナノキンバイの大群落

三ツ峰から見た圧巻の羅臼岳。右手は雲海に覆われたオホーツク海。

羅臼平まで来ると大勢の登山客でにぎわっていました。ここまではほとんど人に会わず熊に怯えていたのでほっとしたような、でも隔絶された自然の中の山行が終わってしまって少し寂しいような気持ちになりました。さすが百名山です。山頂直下の岩場は渋滞するほどで、山頂も狭いので写真だけ撮って早々に退散。岩場の少し降りた所で休憩していたら、別のパーティーの女性が転倒し、頭から出血。あたりは少し騒然としました。幸い、そのパーティーの中の人たちで応急処置をして、本人も意識ははっきりとしていたので大事ではなかったようですが、目の前で事故が起こったのでかなりびっくりしました。自分たちも気を抜かずに最後まで無事故で歩こう、と気持ちを引き締めました。

羅臼の山頂直下

大沢の雪渓はまだまだ厚くしっかりしていて、こちらはステップもしっかりついているので楽に降りられました。そのあとの樹林帯の下りはあまり変化が無く、樹木で景色もそんなに見えないし、とても長く感じました。岩尾別から山頂ピストンだったら大して花も見られないし、池に写る山々や硫黄山側の火山の景観なども見れないので、やっぱり縦走して良かったなぁと思いました。

長く続く大沢の雪渓

左から硫黄山~オッカバケ岳あたり?歩いてきた稜線。

木下小屋に着いて炭酸飲料をがぶ飲みし、車を発見して一安心。A班はとっくに予定のコンビニに着いているのでは、と思っていたが我々の方が先に到着し、そのほぼ5分後くらいにA班も到着。再び再会を喜び合いました。温泉に入って夕食の時もA班B班それぞれに起こったできごとや珍事を報告しあい、大いに盛り上がりました。おかげ様で大成功のクロス縦走でした!

越後 守門岳・大岳 雪期登山(2018年5月4~5日)

ゴールデンウイーク後半は残雪の守門岳に行ってきました。元々は2泊で守門と黒姫に行く予定でしたが、3日の天気が悪かったため、1日短縮して守門と大岳に変更しました。今回は5人が参加。

二分(にぶ)から先の車道はまだ雪に覆われていたので、二分の空きスペースに車を停めて猿倉橋まで40分ほど車道を歩き、ようやく二口(ふたくち)の登山口へ。新緑と残雪のコントラストがいかにも春らしくて、天気は曇っていたものの心は浮き浮き。

登山道にはイワウチワがたくさん咲いていました。ピンクっぽい花も。

雪の上に細かい木くずのようなものが模様を作っていました。ココアパウダーが振られたカプチーノみたい。

谷内平を過ぎたあたりで急に天気が悪化して、雨と雹が降り始めました。ちょっと様子を見ようかとも考えましたが、この日は不安定な天候だけどいずれも一時的なものという予報だったし、翌日に向けて好転することが見込まれたので、とにかく進むことにしました。

結果的にはそれが正解で、特に難儀することなく幕営予定地である大岳分岐のあたりまで来られました。この日は天気が悪かったからか、他に登ってくる人もおらず、静かな広いテント場を独占できました。

雪庇はだいぶ落ちていましたが、まだまだ雪はたっぷり。

朝日が雪の表情を変える。

夜は強風が吹いてましたが朝は少し静かになって、代りに鳥のさえずりがよく聞こえました。守門岳山頂までは約40分。山頂付近は雪が解けて木道が出ていました。これがよく滑って歩きづらいこと。。

強風のためか山頂には雪無し。360度の眺望!

強風の中を登る。雪は締まって登りやすい。雲と雪がつながってるよう。

守門岳から大岳までの間は雪が割れている部分もあったので慎重に歩きましたが、大岳から先の保久礼(ほっきゅうれ)コースは緩やかな下りで、ふもとの景色を眺めながらさくさく降りることができるとっても快適なコースでした。

テープがあんなに高い所に!あと2mくらい雪が積もってたってこと?

ところどころでカタクリ、イワカガミ、ショウジョウバカマ、キクザキイチゲ、コブシなどが咲いていて、静かな山に賑わいを添えていました。
この日はまずまずの天気だったので、3組ほど登ってくるパーティーもありました。

ブナの木立に囲まれたキビタキ避難小屋。キビタキ(?)らしき鳥の鳴き声も。

帰りは入広瀬の寿和(すわ)温泉に入って汗を流し、道の駅「ゆのたに」でおいしい越後もち豚トンカツを食べて帰りました。
標高は高くないながらも雪がたっぷりあってブナ林も美しいので、きっと残雪期がベストな山だと思いました。悪天にもめげずに行って良かったです!

越後 日白山~タカマタギ 雪期登山(2018年3月24~25日)

今回は会員6名で越後の日白山とタカマタギに行ってきました。登山道が無いので雪のある時にしか登れない山だそうで、静かな山歩きが楽しめそうです。
土曜朝に東京を出て、昼前に二居(ふたい)の「宿場の湯」前にある駐車場に車を停め、行動を開始しました。

二居峠までは道がある。

二居峠登山口と書かれた看板から先は雪が積もっていて、上の方はまだたっぷり雪がありそう。ややズボズボとなる林道を上がっていく。二居峠から先は一部ワカンもつけましたが、思ったほど沈む雪ではなく、途中からはツボ足で快適に登っていけました。

明るい尾根歩き。

だんだん右側に平標山と仙ノ倉が見えてきて、他の山と違ってまだ真っ白。日白山への日帰りらしい人に2人すれ違いましたが、東谷山頂手前の広くて眺めの良い幕営地は独占状態でした。

中央奥が平標、左奥が仙ノ倉かな。ひときわ白くてかっこいい。

夜には苗場スキー場の花火も見えて、花火を見下ろすというなかなか珍しい経験ができました。夕食はきのこクリームリゾットもどき。いい加減な割においしくでき、山の歌も歌いお酒も進んで楽しい一夜を過ごしました。

二日目の朝はガスで視界が悪かったので少しテントでゆっくりしてから出発。1時間ほどでみるみると雲が晴れて、昨日よりもっと素晴らしい眺めが現れました。

雲が晴れてきたぞ~!

朝日がまぶしくなってきた。

まばらなブナやダケカンバの木の影が真っ白な雪面の上に長く伸びて、心が洗われる清々しい光景でした。動物の足跡もくっきりとついていて、生き物たちが活発になってきて餌を探し歩いているのが感じられました。雪山は花や緑が無い分、こういう小さな痕跡を探すのが楽しいですね!

青と白の世界。

そんなに起伏も無い稜線散歩。

こりゃテンション上がるぜー!

タカマタギ着いたー!

タカマタギまで来ると視界が開けて360度周りの山が見渡せました。昨年のGWに歩いた平標~仙之倉~谷川のルートも丸見えでした。

タカマタギから東側を望む。右の一番高いのが茂倉岳かな。

タカマタギから西側を見ると苗場山も見える。

この日はたくさんのパーティーとすれ違い、足跡もたくさんありました。

傾斜が緩くてシリセードはあまり進まず。

駐車場に戻ると春の陽気で暑いくらいでした。「宿場の湯」で汗を流し、道の駅「みつまた」でおいしい豚丼を食べて帰りました。おかげ様でこの週末もとても楽しい山行となりました。

駐車場付近ではフクジュソウが春を告げていました。

湯ノ丸 山スキー(2018年1月28日)

今回は会員6名で湯ノ丸山にスキー山行に行ってきました。
湯ノ丸スキー場の第一リフトを降りたところで全員スキーを装着。シール歩行が初めての会員もベテラン会員から教えてもらいながら準備。

第一リフトを降りたところ

スキーの道具もいろいろ進化してきていて、ベテラン会員の板やビンディングと最近山スキーを始めた会員の道具は見た目もデザインもだいぶ違うようです。山をやる人は道具好きな人も多いので、道具のあれこれだけでもいろいろと話が盛り上がります。

湯ノ丸山は基本的にはそんなに険しいところは無いのですが、雪が掘れていたり木が邪魔したりして、スキーでは登りにくいところもあり、ジタバタしながら登りました。でも雪山は夏山と違ってどこを歩いてもいいので、前の人が歩いた跡ではなく自由に自分で歩くところを選択できるのがおもしろいですね。そしてスキーでも”登れる”というのがなにより素晴らしい!ゲレンデスキーしかやったことの無かった人にとっては何とも不思議な感覚です。シールを考えた人はエライ。

浅間山をバックに登る

山頂到着!風が強くて岩が露出してました。

山頂直下のあたりに来ると、急激に風が強くなって曇ってきました。山頂に着くと浅間山や四阿山もよく見え、北アルプスも少し雲はかかっていたもののまぁまぁの眺め。ただ、風が強くてゆっくりはしていられないため、急いでシールを剥がして滑走の準備。

さぁ滑ろうとしていたところで、なんとTさんの片方の板が強風に煽られ、板が斜面を勝手に滑って行ってしまいました!しっかり雪に突き刺していたのに、為す術なくあっという間に視界から消えていってしまい、しばらく探したものの結局見つからず、、、。結局諦めてTさんは登ってきた道を歩いて下山することに。なくなった板は古い貰い物だったそうですが、それでもショックですね(>_<) 風は怖い。。。

広くて滑りやすい斜面・・だけど風が強い!

登山道を外れると雪が深くて、スキーを履いていないと腰あたりまで潜ってしまいそう。改めてスキーの偉大さを実感。

気持ちよく滑ってます!

山スキーはゲレンデと違って周りに人がいないので、うまい人がシュンと脇を滑っていくことも無く、不格好でも気にせずマイペースで行けるのがいいですね。まだ誰も踏んでいない雪面にシュプールを描くのはとても気持ちが良かったです!

四阿山 雪期登山(2017年12月17日)

会員5名で長野・群馬県境の四阿山に行ってきました。前夜にあずまや高原ホテルの登山者駐車場に車を停め、翌朝7時過ぎにホテル脇の登山口から出発。夜から降り始めた雪はまだ降っていたものの、それほどの積雪は無いだろうと思って歩き始めました。

牧場脇を進む

でも牧場のあたりに来ると、牧場から来る風の吹き溜まりになっているようで、雪が深く思ったほど進まず。それでも傾斜は緩く雪もサラサラのパウダースノーだったので、楽しく足跡をつけて歩きました。こんもりと雪をかぶったクリスマスツリーもたくさんあり、エビの尻尾になっている枝もありました。

金網のある牧場側からの風が冷たい

林を抜けると風も強くなり、だいぶ時間もかかってしまったので、山頂に着いてもゆっくりせず、神社に手だけ合わせてさっさと下山。

山頂は神社以外は何も見えない

来た道を戻るも、降り続いている雪と風でトレースがほぼ消えていてびっくり。岩がゴロゴロしているあたりは目印のテープもあまり無く、視界も悪かったのでうっかりすると違う方向に歩いてしまいそうでした。

立派なクリスマスツリー

登山口に近づいたあたりで傾いた太陽が林の中に光を注いでくれて、それがとてもきれいで印象的でした。

夕日が差し込む雪の林

登山口に戻ってくると、「2018年は開山1300年にあたるので山頂の社の改修のために小石を上げてください」という小さい看板があるのを発見。登る時に気づいていたら持って行ったのに、、、申し訳ない。山頂や途中にも祠がいくつかあり、歴史のある信仰の山だということを感じました。

今回は他のパーティーにも出会わず、静かな雪山歩きは楽しめましたが、やっぱりもう一度天気の良い時にチャレンジしたいですねぇ。

板労祭ハイキング 芦ヶ久保~丸山~大野峠(2017年11月12日)

板橋勤労者山岳会は略して「板労」。そのお祭りということで、年に1回、会員で集まって盛り上がろう、というイベントをやっています。
昨年までは10月三連休に谷川岳近くの山や沢に山行をして、その晩、川原に集合してたき火を囲んで夜通し食べ飲み語るということが多かったのですが、今年はなるべく多くの会員やその家族も参加しやすいように、近場で日帰りハイキングになりました。

単にハイキングだけだとつまらないので、お昼にちょっとグルメをするということも試みました。
その結果、会員外の人も含め14名が参加し、とても楽しい板労祭となりました。

青空の下、イチョウもきれいです

グルメの方も、お鍋、ちゃんちゃん焼き、ホットサンドなどが並び、食べきれないほどのご馳走でした。お鍋は身体が温まり、ちゃんちゃん焼きは美味、ホットサンドは最高!来年はどんな企画にするか今から楽しみです。(もう1回グルメハイクでもいいなぁ)

お鍋&ちゃんちゃん焼き&ホットサンド完成~

わいわいモグモグ

丸山の展望台で集合写真

巻機山集中 米子沢登り&井戸尾根ピストン(2017年10月8~9日)

会員16名で巻機山集中山行を行いました。10名が米子沢から、6名が井戸尾根から登り、巻機山の避難小屋前の幕営地に集まる山行です。
前夜は登山口駐車場に泊まり、朝7時に沢チームと井戸尾根チームそれぞれ出発。

井戸尾根チームがテント4張やガスなど共同装備の多くを担いで登ったので、なかなか大変でしたが、時間はあったのでゆっくり進みます。ブナの木々がきれいに色づいている中、初秋の風が吹いてきて気持ちが良かったです。

いい感じのブナ林

無事に避難小屋前についてテントを張って、沢チームを待ちます。時間があったので、先に山頂に行く人、スケッチする人、読書する人、昼寝する人、めいめいに時間を過ごします。

テント場付近の米子沢

黄金色の草原。奥の方がイタローテント。

17時をまわっても沢チームが来ないので、心配になってきました。携帯は当然つながらないので、沢から上がってくるパーティーに大人数パーティーを見たかと尋ねると、慎重に安全に登ってるようだから時間かかりそうでしたよ、とのこと。ケガ人がいたら先行パーティーを出して救助を呼びに来るだろうし、まぁ時間切れになってもツェルトでビバークできるから大丈夫だろう、と理解してこの日は先に寝ることにしました。

すると、21時をまわったころに沢チームが到着!大慌てでお湯をわかし、ねぎらいました。みんな疲れてはいたものの、とにかく無事に笑顔で上がってきてくれて本当に安心しました。(達成感や安堵感で皆ハイテンションになっていたため、周囲のテントの方に迷惑をかけてしまいました、ごめんなさい)

翌朝、山頂に行ったものの朝からガスで何も見えませんでしたが、みんなで井戸尾根をゆっくり下る時には晴れてきれいな紅葉が見られました。井戸尾根はひたすら下りだし、行きはテント4張りを6人で持っていましたが、帰りは全員で分担しているので、荷物がすっかり軽くなって楽々。色づいたブナを眺めながらたくさんおしゃべりして歩きました。

テント場前で全員集合!

黄金色に紅も差しています

今回、全員が無事に集合山行できたという点では成功でしたが、予定よりもだいぶ時間がかかってしまったことに対しては会の中でもよく検証して、より安全な登山ができるようにしていきたいです。

以下は米子沢の写真をどうぞ!
おまけ↓

メンバーが持ってきた福クッキー

北アルプス 烏帽子岳~船窪岳~七倉岳 縦走(2017年8月11~13日)

今年のイタロー夏合宿として、前夜発2泊3日で高瀬ダム~烏帽子岳~船窪岳~七倉岳~七倉ダムの周回コースを歩いてきました。
初日は七倉山荘駐車場からタクシーで高瀬ダムまで。巨大なロックフィルダムの九十九折の道にテンションが高まります。高瀬ダムからブナ立尾根の登り口のところに水場(というか沢)があるので、たっぷり汲みました。烏帽子小屋で水は買えるものの、基本的には翌日の船窪の幕営地まで水場は無いのがこのコースの辛いところ。さらに、ブナ立尾根は北アルプス三大急登の一つとのことで、気合いを入れて行きます。

急登と暑さでうなだれる

この日は烏帽子小屋までなので距離は短いものの、くんだ水の重みもあってなかなかペースが上がらず。なんとか烏帽子小屋のテント地に二張り分を確保し、ビールを買って乾杯!メンバーの一人はビールを保冷剤と一緒に荷揚げしてきていてびっくり。それは重いわけです(笑)稜線まで来ると高山植物もたくさん咲いていて、小屋の前には白いコマクサも咲いていました。

手前がイワギキョウ、奥の左右にそれぞれ白とピンクのコマクサ

野口五郎岳方面の裏銀座縦走路。さすが山の日、テントがぎっしり。

夜は雨に降られましたが朝はやんで霧になっていました。コマクサの群生地を脇に見ながら烏帽子岳に向かいます。

烏帽子岳に着く頃は少し日が差して来て、荘厳な雰囲気に

烏帽子岳てっぺん

烏帽子岳のすぐ北側は四十八池という池塘がたくさんある場所で、露に濡れた花たちが迎えてくれました。

アルプスっぽい!

ヨツバシオガマかな?奥はチングルマの群落。

南沢岳~不動岳の途中で雨に降られ、景色はまったく望めませんでしたが代わりに足元の花に励まされました。

砂礫にがんばって咲いているコマクサたち

不動岳から先は両側が切れ落ちているところや、はしごやロープがある場所も多く、スリリングで長い道のりでした。

ザレ道をトラバース

高瀬川断層が一直線に見える!

荷物に振られないように慎重に

数年で崩れそうな道。一人ずつ渡れと書いてあった。

船窪小屋の幕営地は烏帽子小屋よりもさらに狭かったものの、この日もなんとかテントを張ることができました。船窪小屋の幕営地とはいえ、小屋まで片道20分かかるので受付は翌日にすることとして、とりあえず水を確保。しかしここの水場もかなり険しいところを降りなければならず、暗くなっていたら危ないところでした。。。

翌朝起きると快晴!昨日がんばって登ってきて良かった、と心底思いました。

歩いてきた稜線が雲海の上に一望できました

七倉岳山頂にて

船窪小屋の青い屋根。いつか泊まってみたい。

烏帽子岳はこちらから見るとちょっとつぶれた烏帽子が乗っているようでした

あとは下るだけ!と思いきや、七倉への道もなかなか急で、膝に優しくない道でした。

丸太の梯子がスベる~

やっと着いたー!このトンネルを左に行くと七倉山荘は目の前。

夏の北アルプスの中ではかなりつらいコースだった気がしますが、合宿らしく、暑い中たくさん汗をかいてよく歩きました!お疲れ様でした。

二子山中央稜 岩登り(2017年6月11日)

会員2名がマルチピッチの入門コースである二子山中央稜に行ってきました。以下は参加したKさんの山行記録からの抜粋です。

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最高の天気の中、股峠駐車場に着くと我々で11台目。先着パーティーが着々と準備をしていた。アプローチの登山道を歩くとやがて目印の赤いドラム缶が見えてきた。前に登り始めた2人組がいるが、後続はいない。

真っ白な岩肌

1ピッチ目
真っすぐ登り、途中から右上するバンドに乗ってトラバースするのだが、トラバース入口のピナクルに上がる所が少々難しい。左側の壁とピナクル側面でステミングしながらじわじわと上がり、エッジをつかんで乗り越えた。1ピッチ目終了点で先行パーティーが行くのを待ちながら小休憩。隣に見えるローソク岩を眺める。あれも登れるらしいが、かなり急傾斜の鋭い岩峰だ。

ローソク岩

2ピッチ目
スタートからすぐ左側へトラバースし、左上しながら登っていくが、最後のランニングをかけ終えた所で行き詰ってしまった。終了点のあるバンドまでは数メートルなのだが、80度はあろうスラブ面でスメアリングも効かない。周囲に使えそうなホールドも見つからず、プルプルしながらクライミングダウンしてNさんにリード交代。Nさんは最後のランニングからさらに左にトラバースし、例のスラブ面を左側面から難なく登って行った。急がば回れ、視野の狭さを反省。。。

3ピッチ目
中央稜の核心部分。数メートル登ってからクラックを登る。リードのNさんが肝心の部分をどうやって登ったのかよく見えなかったが、腹をくくって登りだす。フーフー言いながら核心部分に到達。クラックは下部よりも幅広になり、ジャミングを試してもうまく効かない。しばらく粘ってみたがここは妥協。悔しいがテンションのコールをしてからロープを掴んで体の向きを変え、クラック左右壁面にスメアリング+ステミングでじりじり上がる。そんなこんなでなんとかガバまで到達。間もなく大テラスに着いた。いつの間にかローソク岩は眼下に小さく位置していてちょっといい気分。

核心部分を登るNさん

4ピッチ目
短く、Nさんのリードですぐに終了点に到達。

5-6ピッチ目
すぐ上にオーバーハングの岩塊がせり出しているが、右側から左へ斜上して岩塊の右脇を登る。景色も良く快適に登れるがランニング支点が少ない。気を引き締めて登り、セカンドのNさんを迎える。6ピッチ目は初めに懸垂下降用の支点が現れるが、さらに先に頑丈なプレートが設置してあった。これがこのルートの終了点。

最後は歩いて稜線へ。到着してNさんと登頂記念の握手を交わす。最高に気持ちがいい!天気にも終日恵まれ、南側の両神山が立派だ。
話をしながらパンをかじるが、緊張していたせいか、のどがカラカラでパンが詰まる。飲み物が最高にうまい。
景色に名残を惜しみつつ、一般ルートで下山。帰りの車内でも山の楽しい会話が弾む。
減量に取り組み、日和田山でベテラン会員からトレーニングを受け、進歩は遅いながらも自分なりに頑張ったここ数ヶ月。充実と喜びに満ちた一日であった。

稜線にて。やったね!

根子岳 山スキー(2017年3月18~19日)

イタローには山スキーをやる人もいます。最近はバックカントリースキーと言うのでしょうか。スキーができると山の楽しみ方も広がりますね!以下は会員の山行報告からの抜粋です。
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今年は、山スキー用品を買った会員がいたため、積極的に山スキーに出かけようということで、とにかくまずは基本の根子岳に行ってみようということになった。1日目は峰の原スキー場で、スキー練習も兼ねて遊び、2日目に山スキーで下る計画で、峰の原のペンション泊まりというリッチな計画。

スキーは難しい!

峰の原スキー場で半日遊ぶ。1人の会員は今シーズン生まれて初めてスキーを履いたのだが、今回が2回目。初心者を何度も教えたことがある会員がスキーの基本を教えるが、なかなかそうすぐには進歩しない。

ロッジ風のペンション「きのこ」と看板犬のイチ

泊まったペンション「きのこ」は何から何までキノコづくしの宿で、さまざまな調度品や飾りがすべてキノコなのだった。犬を飼ってるのだが、犬の飾りもいろいろ手作りしていてなかなか楽しい宿だった。

柴犬の置物。本物そっくり!

2日目。前日に車1台を下山地点の菅平牧場にデポしておいたので、この朝は宿を出てすぐに登り始める。天気は曇り、あまり良くない。根子岳は、山スキーのフィールドと言っても、ゲレンデみたいに整備が進んでいる。キャット(雪上車)が運行しており、一般スキー客を運んでいるのだ。シール歩行でゆっくり登っていると、早くもキャットが上がってくるのだった。

曇ってるけどひろびろー

シール歩行中

根子岳のキャット。かっこいい。

間もなく、中腹の避難小屋に到着。避難所としては十分使える感じ。そこからピークに向かうとキャットで登ってきたのとも違う怪しい集団に出会った。なんと、服を着たわんわん達が、彼らと一緒に根子岳の頂上をきわめている。ネットで知り合った犬の愛好家たちの集いなんだそうだ。

根子岳に犬。衣装もかわいい。

さて、いよいよ滑降に入る。下るのはキャットの来ない菅平牧場への尾根コースだ。3人が滑り、スキー初心者の会員1名はスノーシューで降りる。天気は軽い吹雪も混じるようになってきたが、まずまず快適にワイルド空間を楽しむ。ラストは広大な菅平牧場に滑り込んでいった。

視界悪くてもかっこよく滑ってます!

東部湯の丸SAの山賊焼きカレーで締めました。